伊丹十三監督の映画「お葬式」に、泣かせる場面がある。父親が死に、親戚友人が通夜ぶるまいの酒に酔って騒ぐ。その喧噪(けんそう)も果てた夜更け、長女が「東京だョおっ母さん」をしみじみと歌い、踊ってみせるのだ。久しぶりに手を引いて 親子で歩ける嬉(うれ)しさに……。▼父親が好んだ曲なのだろう。子どもたちもそれを聞いて育ったのだろう。戦後日本の数知れぬ人々が親しんだこの歌を、親子の情愛や望郷を物語る小道
![春秋 - 日本経済新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0e3c5e614e8acdad43d69cde8f3e93836e869a85/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2F.resources%2Fk-components%2Frectangle.rev-d54ea30.png)
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く