焼き鳥チェーンの鳥貴族が値上げによる客離れによって赤字の見通しとなっている。牛丼チェーンの吉野家も赤字転落したが、さらなる客離れを警戒して値上げを決断できずにいる。 一方、1000円カットで有名だった理髪店のQBハウスやヤマト運輸のように、値上げを実施しても業績に響かないところもある。国内消費が著しく低迷する日本では、価格戦略が企業の業績を大きく左右する。値上げの是非について考察した。 鳥貴族の業績悪化を2年前に予想できた理由 鳥貴族は2019年7月期決算の純損益が3億5600万円の赤字になる見通しを明らかにした。前期は6億6200万円の黒字、当初の業績予想も7億4700万円の黒字だったのでまさに大失速であり、2014年の上場以来、初めての赤字決算となる。 業績悪化の直接的な原因となったのは、言うまでもなく「値上げ」である。 同社は2017年10月、それまでのウリだった「全品280円(税別