国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で従軍慰安婦をモチーフにした「平和の少女像」などを展示した企画展「表現の不自由・その後」が中止に追い込まれた。ネットでの炎上、事務局への脅迫や政治家の介入――大勢に逆らうような表現は許されない「不自由」な社会になってしまったのか。そもそも「表現の自由」とは何なのか。さまざまな立場の人と考えるインタビュー記事と関連記事を収録する。
愛知県で開かれている国際芸術祭の展示が、開幕から3日で中止された問題。行政がそう決断した理由が「電凸(でんとつ)」と呼ばれる抗議活動でした。そもそも「電凸」とは何なのか調べてみました。 「電凸」は、今から15年ほど前にネット上で生まれたとされる言葉で、「電話突撃」というのがその語源だそうです。 もとは、一般市民や個人が行政機関や企業、マスコミなどに電話で見解を問いただす行為で、それ自体は、何らとがめられるものではありません。電話でなくメールを使うこともあります。 しかし、最近、この「電凸」のマニュアルがネット上で共有され、標的とする相手に執ように抗議することで、業務や催しが中止されるケースがここ数年、相次いでいます。 今回の『あいちトリエンナーレ』の『表現の不自由展・その後』は、まさにその一例でした。 問題とされた少女像の撤去などを求める抗議の電話やメールがわずか2日間でおよそ1400件殺
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