かねてから危惧されていた人材流出のリスクが、現実となった。レシピサイト最大手のクックパッドの経営方針の混乱をめぐり、部長級を含めた複数の幹部社員が退職することが明らかになった。 「創業者の横暴で、会社がめちゃくちゃになった」「もう、元のレールに戻れないところまで来てしまった」。社員からは、こうした声が飛び出す。ネット業界を代表する成長株と目されてきたクックパッドは、経営体制の混乱による影響が深刻さを増し、致命的な事態を迎えかねない状況に陥っている。 社員総会で示された目標とは? クックパッドの経営方針をめぐる「お家騒動」が明るみに出たのは、今年1月。創業者で筆頭株主の佐野陽光氏が、「経営ビジョンに大きな歪みが出てきた」として、株主提案で取締役を刷新しようと動いた。佐野氏はその後、2月に会社側と取締役選任案を一本化。これで事態は収束するかと思われたが、そうはならなかった。 3月の株主総会後、