「レント」の悲劇 「レント」という有名なブロードウェイ・ミュージカルがある。日本でも上演され、今年の秋またやるらしい。プッチーニの「ラ・ボエーム」を下敷きにしたもので、売れないアーティストたちがステージに立つ日を夢見ながら、貧困や病いと闘って生きてゆく物語だ。しかしミュージカル以上に悲劇的なのが、その作者ジョナサン・ラーソンのエピソードである。 ラーソンは「レント」の構想に7年かけ、それを書いている間、ニューヨークのレストランでウェイターや皿洗いとして働いていた。しかし1996年1月、待望のオフブロードウェイ公演初日の未明、心臓疾患で急死する。そして主人公は、まるでラーソンの運命を予感しているような歌を歌う。
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