シリア内戦でアサド政府軍が使用している樽爆弾の非人道性に付いては度々報道されています。しかし報道には誤解が多く、そもそもなぜ非人道的なのかという指摘もされておらず、理解が進んでいないのが現状です。そこで樽爆弾の構造と使用方法を解説して問題の本質を紹介したいと思います。 樽爆弾の構造 樽爆弾とはその名の通り、樽やドラム缶に爆薬などを詰めて起爆させるだけの原始的な代物です。内容物には大きく分けて三種類があります。爆薬と金属片を詰めた爆発型、燃料を詰めた火焔型、塩素ガスを詰めた化学兵器型です。シリア内戦で使われている樽爆弾は爆発型がほとんどで、火焔型は確認されていません。最近では化学兵器型も使われ始めました。 アサド政府軍が樽爆弾を使っている理由は、国際社会の制裁により正規の爆弾の製造と輸入が困難になって来たため、簡易な施設で安価に大量に製造できる樽爆弾で代用しようというものです。そしてこの代用