影を落とす:2012年にNASAの土星探査機カッシーニが撮影した写真。B環が土星の表面に黒々した影を落としていて、その不透明さがよく分かる。左上に写っている衛星テティスの直径は1062km。比較すると、土星の環がいかに巨大かを実感できる。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE) 神秘に包まれた土星の環の中でも、最も謎の多いのがB環だ。そのB環の重さが、これまで考えられていたよりもずっと軽いらしいことが、研究によって明らかになった。 発表したのは、米国の天文学者マット・ヘッドマン氏とフィリップ・ニコルソン氏。B環が不透明なことが原因で、これまで最大で7倍も重く見積もられていたという。論文は2016年1月22日付け科学誌『イカルス(Icarus)』に掲載された。B環の質量は、環の形成過程を解明する上で重要な情報になる。 B