撮影&文:三毛ランジェロの保護猫日記 夕と家族の平穏な日々は、そう長くは続きませんでした。 余命告知を受けてから、10日程が経った頃です―― それまで元気そうに見えていた夕が、突然肩で息をしだしたのです。 口を開けて目を見開き、舌を出して酷い状態です。 横になると腫瘍が気道を塞いで苦しいのでしょう。座ったままの姿勢で、ただ耐えるしかありません。 その時、あいにく私は出かけていたのですが、家族がスマートフォンに、写真と動画を送ってくれました。客観的に見て、獣医師でない私が見ても、夕の命がもう尽きようとしているのが分かりました。 私はふと思いついて、ある特別な方法で、高濃度の酸素を夕にあげてみようと考えました。もともと仕事柄、こういったことには知識を持っています。ある薬品の化学反応でそれはできそうでした。 さっそく、試してみました。そして―― この方法は劇的でした。 夕は一気に楽になったとよう