最近、韓国最大の企業グループ・サムスングループが水処理ビジネスに進出することが報じられ、水処理関連企業のみならず、このところの韓国企業の躍進ぶりを知る少なからぬ日本人に、衝撃を与えている。「携帯電話、薄型テレビなどときて、今度は水処理かよ」というわけである。 サムスングループが新たに進出するのは、水処理の中でもコア技術とされる「浸透膜」の分野。水処理膜は東レ、旭化成、日東電工など日本メーカーが早くから開発を手がけ、技術的にも先行し、現在2000億円余りの世界市場のうち4割前後を占めていると見られる。 しかし今後、地球人口の急増に伴い水資源が不足する中で、開発途上国において、海水の淡水化を始め、水処理技術に対するニーズが急激に高まると予想されている。もっとも浸透膜そのものの市場は、今後10年ほどで1兆円規模と驚くほどの規模ではないが、上下水道などを含めた水処理市場全体では、80数兆円に達する