通りかかった川の上にとんぼがたくさん飛んでいた。 とんぼを見るとかこさとしの「とんぼのうんどうかい」を思い出す。力を合わせてギャングこうもりをやっつけるのが清々しくて好きだった。 こどもの頃に読んだ絵本というのは絵本の内容もさることながら、その時のシチュエーションによって記憶への留まり方が変わるように思う。私の母は寝る前に読み聞かせをしてくれていたが、時々、途中でうとうと眠ってしまうことがあった。もう、何度も読んでいる絵本であれば、私はひとり静かに絵本を読み続けた。新しい絵本であれば、「つづき は あした」と呪文のように唱え、うとうとしている母の横で毛布にくるまった。 幼い頃に一番好きだった絵本はどれだろう?と時々考えて見るのだけれど、「これ!」と決められるような絵本が思い浮かばない。たくさんの絵本を読み聞かせてもらったし、自分でも読んでいたはずなのに。 私はどの絵本が一番好きだったのかな
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