【朝日新聞記事を誤解しないために】 5月23日付の朝日新聞に「大学の脳神経内科医の半数が『燃え尽き症候群』?」という記事が記載された.これは本シンポジウムのために順天堂大学服部信孝教授らが行った大学に勤務する脳神経内科医に対する調査における「54%」という数字が取り上げられたものである.ただタイトルが独り歩きし,誤解を招かないために以下の3点を理解する必要がある. ①「燃え尽き症候群」の学術的定義は一般の人が思っているものと異なる! 国際的に定めたれた質問表を用いた評価を行い,①情緒的消耗感(仕事を通じて力を出し尽くして消耗した状態)②脱人格化(相手に対する無情で非人間的な対応)③個人的達成感の低下のいずれかを満たすものである.燃え尽きてしまった「burned out状態」とイコールではなく,そのリスクを抱えた進行中の「burning out状態」を多く含む.だからこそ「burned ou