三年前の夏、職場を一人の女性が去った。仮にミカさんとしておこうか。 一応辞表を提出した形だが、半ばクビだった。 理由は単純。お客様を怒らせ、会社の品位を疑われたから。 ずばり、よりによってクレーム対応の場で自分のことを「ミカは‥‥」と言ってしまったのだ。 「ふざけているのか」「おちょくっているのか」とお客様の怒りは頂点に達し、 さらに「あんな小学生のような人間をよこすとはどういうことだ」と本社に怒鳴り込み。 結局、大事な取引がご破算になってしまった。 彼女は会社を去った今でも、いいトシして一人称がミカだった人(笑)として語り継がれている。 人は混乱したり追い詰められると、必ず、本当に必ず、素の自分が出る。 マジメな場では「私」って言うから良いもんねw とのんきに構えているそこの貴女。 第一志望の面接の場で、上司との面談の場で、お得意様との取引の場で、絶対に失敗が許されない極限状態で、 普段