原題:L'illusionniste 監督・脚色・キャラクターデザイン:シルバン・ショメ オリジナル脚本:ジャック・タチ かつては人気を博した日々も今は昔。 家族もなく、黄昏の日々の中で、食うためにドサまわりを続ける、初老の手品師。その名もジャック・”イリュージョニスト”・タチシェフ。 時は1959年。テレビの登場で興行が頭打ちになっているパリでの仕事をなくして、海を渡り、イギリス・ロンドン。ロックバンド・ブームの波にさらわれ、流れ流れてスコットランドのド田舎のレストランで営業する。 狭いレストランでは、電気開通のお祝いのパーティが開かれていて、そこで披露した彼が得意とする手技は目を惹き、拍手喝采。その技に惹かれて、ひとりの少女が彼に興味を示す。名前をアリスという。彼女は手品師の技のひとつひとつに感激し、タチシェフ氏は彼女に、かつて生き別れた娘の面影を見て、赤い靴を手品とともにプレゼントし