牛のげっぷに含まれるメタンの量を測るため、牛の鼻に取り付けられたチューブからガスを採取する。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN, NATIONAL GEOGRAPHIC) 牛は絶えずげっぷをしている。同時に、げっぷに含まれる温室効果ガス、メタンと二酸化炭素を、大量に空気中へ放出している。米国のメタン排出量の実に26%が、牛のげっぷによるものだ。 しかし、嘆くことはない。学術誌「Proceedings of the National Academy of Science」に掲載された研究報告によると、3-ニトロオキシプロパノール(3NOP)と呼ばれる成分を牛の飼料に加えると、牛のげっぷに含まれるメタン量が30%まで削減できるという。 牛だけでなく、ヤギ、羊、バッファロー、そしてラクダなどの反芻動物は、げっぷをするとメタンを放出する。牛が持つ4つの胃のうち、ルーメンと呼ば