ポップスが成立するための重要な要素は「リスナーの誤解」 ──歌詞についても伺いたいのですが、今回、とにかく「~できない」という憧れや届かない思いを歌う内容が多いなと感じました。例えば「歌」という単語に絞ってみてみると、「CALL」では「寂しいけど好きな歌をどうやって忘れようかと」と苦心していて、「いい夜」では「作れなかった歌」と「歌えなかった歌」は燃やされてしまう。「ストーリーテラーになりたい」では、「君には届かない歌」をなぜ自分は歌うのだろうかと自問自答している。この「歌」の届かなさってなんなんでしょうか? うーん……それって自分の中でもなんでなんだろうって考えていた部分でもあるんですよ。今回のアルバムって確かに「歌」に関する歌詞が多くて。「歌」というものが孕んでしまう「弱さ」とか「儚さ」を僕は歌いたいんじゃないかな、と。最近少し自信がないんですが、ポップスが成立するための重要な要素に「