著: 柴 那典 下北沢の近くに住んでいたのは、やっぱり、便利だったからだ。 街を歩いていて、なんだか安心する、というのもある。いい歳をしたアラフォーのオッサンが平日の昼間からTシャツにジーンズでふらふらしていても、違和感がない。たとえ長髪だったり髪の色を染めていたりしても「え? あの人何……?」みたいな視線を浴びたりするようなことは基本的にない。スーツにネクタイをビシっとしめてる方が逆に珍しい。そういう意味では、都心のオフィス街とも、世田谷区の高級住宅街とも、やっぱりちょっとムードが違う。 そして、下北沢に「若者の街」というイメージを持つ人も多いと思うけれど、同じように「若者の街」という印象が広まってる渋谷や原宿や吉祥寺と比べても、その空気感はちょっと違う。気張ってオシャレしてるような人がそんなにいなくて、生活に密着した普段着の感じがある。 独特のユルさがある。 ライブハウスや小劇場が点在
若い世代の酒離れが語られるようになって久しい。高齢者が支える古典的な酒場がメディアで聖地化される一方、20代・30代でにぎわう新しい酒場が増えている。大阪の人気店「けむパー」に、若い世代の酒場カルチャーを盛り上げるヒントを見た。 「酒を飲む若者が減った」「酒場に若者が来ない」と嘆く昭和世代の男性は多い。飲食関係者はもちろん、客の立場である中高年の人々も不安を隠せない。自分たちが慣れ親しんだ繁華街や店が寂れつつあるからだ。再開発の影響もあって消えた繁華街や店も少なくない。 酒場を巡る産業と文化の斜陽化は、1990年代から始まっている。階級・階層論の研究を軸に居酒屋をフィールドワークする第一人者・橋本健二氏の『居酒屋ほろ酔い考現学』(毎日新聞社)にその現象が詳しく書かれている。この書籍を読むと、日本全体における居酒屋・ビアホールの売り上げは、バブル経済崩壊直後の1992年をピークに年々減り続け
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く