トルーマン・カポーティの短編に『夢を売る女』という話がある。 細々とした内容は端折るけど、この話の中にミスター・レヴァーコームなる「夢を買い取る謎の人物」が登場する。 この「夢」というのは修辞技法的な意味でなく、睡眠時にみるあれのことだ。 主人公は彼に夢を売り続け、次第に生気を失っていく。どうして生気を失うのか、具体的な理屈は作中では明示されない。なぜレヴァーコームは夢を買うのか、それすら明かされない。 主人公が夢を買い戻そうとすると「もう使ってしまったから返せない」とさえ言われる。 おそろしい。 しかし、そのおそろしさを別にしてみれば、「夢を買う」というのは単純に興味深い。 グロテスクな行為にも思えるが、メルヘンな行為にも思える。 夢を買ったら一体どんな気持ちになるのか。 楽しいのか、苦しいのか、あるいは何も感じないのか。実際に肌で感じないことは始まらない。 ということで、夢を買ってみる
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