道州制の論議が盛んだ。どういう機能を国から道州に移すか、地域割りはどうするのかといった議論も始まった。筆者も道州制には賛成だ。だが、政府、自民党、財界が用意する論点と方法論には異論がある。やる気は認めるがあれではホンモノの道州制は実現しない。万一実現しても単なる都道府県合併に終わるだろう。今回は関西を題材に「正しい道州制問題の解き方」を考えたい。 ■関西EU説--大阪はドイツ、京都はフランス、神戸は英国? 道州制を最も切実に必要する地域はどこか。東京でも北海道でもない。関西である。関西は豊かな資産・文化・人材を抱えながら急速に衰退しつつある。筆者は大阪出身だ。地域の自立意識の強い土地柄で幼い頃から「僕らは大阪人。百歩譲って関西人。一番最後に日本人」と刷り込まれた。成人後は東京・ワシントンなどで暮らしこれまで世界88カ国を旅した。その体験に基づき、筆者は最近「関西EU説」を唱えている。 関西