仕事中 運転しながら音楽を聴いている。 春の陽気の昨日は 車の中まであたたかな陽射しが届いて、 いつものお気に入りの曲もじーんと沁みて、 なんだかとても淋しかった。 「子どもたちが おじいちゃんになったところって、俺たちは見れないんだよね」 「何を今更。」 「な〜んか最近よく思うんだよな」 「なんのフラグだよ。つーか、それはお義父さんとお義母さんだって同じじゃないの。あなたのことをそう思ってくれてるんじゃないの」 「いやそれはない」 「なんでよ!」 「え〜そうなのかなぁ」 「そうだろうよ」 音楽というのは不思議なもので、 何度も聞いているはずなのに、 そのたびに感情が湧きあがって来る。 思いもよらぬ記憶が引き出されたり、 ぴったりくる言葉が見つかったり、 なんだか身体がみずみずしくなるのだ。 で、淋しくもなるのだ。 まだ真冬だというのに、春っぽいのがいけない。 春はどうにも淋しいものだ。