「人間を、身体という制約から解放したい」こう語るのは、サイボーグ開発ベンチャー『メルティンMMI』CEOの粕谷昌宏さんだ。なぜ、粕谷さんはこのような発想に至ったのか。そして彼が見据える未来とは―。 ロボットハンドに「学習」させる。メルティンMMI 粕谷昌宏 いわゆる「機械」とは根本的な何かが違う。素人目にもそのマシンが、異色であることは明らかだった。 メルティンMMIが開発しているロボットハンドは、人の皮膚を思わせる素材、無数のケーブルと機械が組み合わさっている。「筋電義手」の一種として括ることも可能だが、不気味に感じるほど、関節の動き方は機械の「それ」とは違っていた。 同社CEOである粕谷昌宏さんはこう語る。 「技術としてはロボットのテクノロジー、そして、機械学習を用いています。いわゆる義手ではなく、最終的には「義体」の開発を目指しており、その過程に位置するもの。つまり、ロボットハンドと