岸田文雄首相の国会答弁や首相秘書官の差別発言で、同性婚や性的少数者(LGBT)への無理解を露呈した現政権。気になるのが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係だ。教団関連の新聞では、20年前から同性婚などに反発してきた。こうした動きが保守政治家らに影響を与え、今も価値観を共有していないか。問題の根深さにいま一度目を向けるべきではないか。(山田祐一郎) 「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」。性的少数者についてこう発言した荒井勝喜首相秘書官が4日、更迭された。発言の前提となったのは、衆院予算委員会での岸田首相の同性婚を巡る「全ての国民にとっても家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」との答弁だ。岸田首相は8日の同委員会で答弁の撤回を求められたが「ネガティブな発言をしたつもりはない」と拒んだ。