北九州市八幡西区の産業医科大病院で昨年11月、看護師が入院中の60代の女性患者に、別の患者に投与した点滴注射薬を再使用していたことが4日、分かった。病院側は西日本新聞の取材にミスを認めた上で「患者に健康被害はない」としているが、女性患者には当初「ウイルス感染の危険性を完全に否定できない」と説明していた。同病院では10月、点滴袋に穴を開けられる事件が起き、薬品の管理態勢を見直す改善策を講じたばかりで、管理の甘さが改めて問われそうだ。 「穴開け」の1ヵ月後 点滴注射薬は、点滴袋から体内につながる注射針付きの管の途中に、注射器具の先端部分を接続して投与する。点滴を打てば管の中に血液が逆流して血中のウイルスが付着する可能性があり、感染予防のため一度使った注射薬などは廃棄することになっている。 関係者によると、11月20日の昼ごろ、看護師が別の患者に点滴を打った際、注射薬を注入しようとしたが