【井口裕右の取材後記】 2013年末、「めでたし、めでたし?」というタイトルのある広告コピーが広告業界を騒然とさせた。 このコピーは、日本新聞協会広告委員会が開催した「2013年新聞広告クリエーティブコンテスト」で最優秀賞に選ばれ、東京コピーライターズクラブの2014年TCC賞最高新人賞を受賞した作品である。このコピーのテーマは、「しあわせ」。しかし、このコピーは誰が読んでも悲劇であり、人の心に何かを残す強いインパクトを持っている。なぜこのようなコピーを生み出そうと思ったのか。作者であるTBWA\HAKUHODOの山﨑博司氏とお話をする機会があったので、作品に込めた思いを聞いてみた。 ● 幸せや正義の定義は、ひとつではない 「桃太郎」と言えば、桃から生まれた桃太郎がサルやキジを従えて鬼を退治しにいくお話で、子供のころにその絵本を読んだ僕たちは、鬼をやっつけた桃太郎を"ヒーロー"だと思ったに
![『ボクのおとうさんは、桃太郎に・・・』 あのコピー誕生のきっかけは、シリア内戦だった | 井口 裕右](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/90cff131b272ad619dcd3d17bb19eb78312c6195/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fi.huffpost.com%2Fgen%2F1833403%2Fthumbs%2Fo-FAEE-facebook.jpg)