東日本大震災の影響で、イチゴやトマト、レタスなどの5月の海外への輸出が「ゼロ」になったことが、財務省の貿易統計でわかった。 欧米やアジアで高い人気を得てきた日本の農産物が、東京電力福島第一原子力発電所の事故による深刻な風評被害を受けていることが浮き彫りになった。 貿易統計によると、今年2月のイチゴの輸出量は3万267キロ・グラムで、震災が発生した3月は1万9262キロ・グラムだった。その後の輸出は急減し、4月は前年同月比約94%減の419キロ・グラム、5月はゼロ(前年同月は1258キロ・グラム)に落ち込んだ。イチゴの主要な産地は栃木県や福岡県、熊本県だ。香港や台湾、シンガポールが主な輸出先で、今年3月までの輸出量は前年同月を大きく上回る水準を維持していたが、震災の影響で急ブレーキがかかった形だ。