地震で家屋が倒壊してもつぶされず、津波に流されても水に浮く――そんなユニークな球形シェルターを神奈川県平塚市の町工場が開発した。その名も「ノア」。今月、ようやく量産態勢が整ったばかりだが、発売前から予約が相次いでいる。 開発したのは、水圧を利用した発電機など「エコ商品」の研究・開発を手がける「コスモパワー」。従業員10人の町工場だ。 「ノア」は、軽くて丈夫な繊維強化プラスチック(FRP)製。直径1.2メートルの中は、中心の捕まり棒を囲んで大人4人が座れる。重さは70キロほどで、庭にも室内にも置ける。価格は、28万8千円から。直径1.5メートルの6人乗りや、2.5メートルの12人乗りも製作する予定だ。 ガラス繊維が練り込まれたFRPは船舶やヘルメットなどに使われるほど丈夫だが、球形にすることで、より強化された。底の部分に水を入れておけば、津波などで流されても重心が安定して浮くという仕組みだ。