私が、この業界に入った20年ほど前、ソフトウエア開発理論で名を知られるジェームズ・マーチン博士(第1回のコラムを参照)が、講演などでいつも口にしていたことがある。 まず、システムと組織には「KAIZEN(改善)」が必要だということ。システムをいったん作ってそれで終わりにするのではなく、「システムに合わせた組織を作る」「組織に合わせたシステムに再構築する」のが必要、ということであった。 何よりも「システムは生き物なので、どんどん成長させなければならない」と言っていた。具体的には、「総売り上げの5%前後を、システム開発に投資し続けるべき」というものであった。ビジネスモデルの変化を絶えずシステムと組織に反映すべき、という考えである。 プロジェクト担当者は「兼務」ではなく「専任」で その一方で、マーチン博士は講演でよく「ある国の経営者は、システム開発にあまりにも過剰な費用を投入している」と指摘して
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