「大学を中退して起業すれば10万ドル」という提案は、シリコンバレーに蔓延する行き過ぎた自由主義の象徴だ 世界最大のSNS、フェースブックの創設者マーク・ザッカーバーグの半生を描いた新作映画『ソーシャル・ネットワーク』を見た人なら、ピーター・シールに見覚えがあるだろう。フェースブックに最初に投資をしたベンチャー投資家のシールは、50万ドルを投じて2004年のフェースブック急成長を支えた人物だ。 映画の中でシールは、無料音楽配信サービス、ナップスターの共同創始者ショーン・パーカーと共謀してザッカーバーグの親友エドュアルド・サベリンを騙し、サベリンが保有していたフェースブックの30%の株式を横取りする。脚本家アーロン・ソーキンは、ドイツ生まれのシールをこんな台詞で一蹴する。「あいつは(映画『ウォール街』の強欲投資家)ゴードン・ゲッコーを英雄だと思っているような奴だからな」 シールがリッチな生活を