定額減税の実感はみなさんどうだろうか。岸田文雄首相は「賃上げや定額減税の効果がだんだんと出てきている」と関係者に発言したという。 「増税派」と世論からみなされていた首相にとって、定額減税は起死回生の政策のはずだった。しかし減税政策を表明した頃からむしろ支持率は低下していった。 保守のコア支持層は、「LGBT理解増進法」のあまりにずさんな内容にげんなりし、政治資金問題はワイドショーなどで煽(あお)られやすい層を中心に支持離れを加速した。 定額減税の仕組みは複雑で、給料明細を確かめても実感に乏しいものになった。それでも可処分所得が多少は増えているので、今夏を中心に消費の増加がみられるだろう。だが、夏の終わりとともに減税効果は消失する。まるで線香花火のようにはかなげだ。 岸田首相としては、まだ総裁選での再選を諦めていないので、夏の間だけでも減税効果があるのはいいことなのだろう。電気代やガス代の補