こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。『みんなの道徳解体新書』を読んでくれたみなさんから、おもしろい、笑えて考えさせられる、などおおむね好意的な感想をいただいてます。 私自身が道徳の副読本を読んだり、道徳教育の歴史を調べる過程で感じた驚きや疑念、爆笑などをみなさんにお伝えできたのならうれしいかぎりです。 おそらく読者から反感を買う可能性が高いのは、私が死刑制度に否定的な態度を表明しているところでしょう。なにしろ日本人の8割は死刑に賛成してるのですから。 この問題に関して私は、アウェイでの圧倒的に不利な戦いを強いられることになります。でも大事なことなので、疎まれるのを承知で、死刑制度に関する私の考えをいっておきます。 死刑の賛否がわかれるのは当然のこと。しかし、人のいのちに関わる矛盾だらけの問題を、多くの人がろくに考えも悩みもせず、感情論で賛成してしまってるのは不愉快ですし、理性や知性の軽