「これだけやっても、まだやる」という執念と粘り強さ。『楽園の夜』は、バキバキのノワールでありつつ現代の韓国映画の豊かさと過剰さをしっかり味わえる傑作だった。 必見である。 【関連記事】『The Witch/魔女』<梨泰院クラス>のキム・ダミが怪演 血風吹き荒れるバイオレンススリラー 楽園に逃げ延びたヤクザを追って、済州島が血に染まる!映画は、主人公のパク・テグというヤクザが、とあるヤクザの事務所に乗り込んでの交渉場面から始まる。自分の所属組織の手下をさらわれたテグは、自ら敵地に乗り込んで相手のボスと交渉する。会話の内容から察するに、巨大組織の内輪揉めが発生しているらしい。テグの上にはヤン社長という親分がおり、テグは日本のヤクザでいう若頭的な立場のようだ。弱小ヤクザのナンバーツーにしておくには惜しいほどの男ぶりのテグは、敵対派閥のトップからもスカウトされる実力者であることが、2人の交渉から伝