芸術にふれ、享受し、評価したり、表現したりするのは大いなる喜びだ。古今の事物を知ったかぶってあげつらい、世の賢人諸子に警告し、太平の世にうつらうつらと酔っている目を醒まさせたい。 「中国の歴史7 中国思想と宗教の奔流 宋朝」 小島毅 著 2005年 講談社 406頁 以前ちらっと見たときにどこかに金庸について触れてあったはずですが、中々見当たらないので全部読み通してみました。まさか、小島先生が学術論文の中で金庸を引用する訳ないしこの本であった筈だ。 ですがこのシリーズ、三国時代で一冊、明と清を合わせて一冊という、世間に阿ったとしか思えない商業主義のいびつな構成が腹立たしくて元々読みたくありませんでした。明清(近世で500年近く)=三国時代(古代で100年にも満たない、まあ一応「後漢・三国時代」と銘打ってはいるが)ってのはいくらなんでもふざけているというもの。 それで読み始めたら、最初の月報