●『ヒトラーのテーブル・トーク』(三交社)という本があるが、この本は1941年から1944年にかけて、ヒトラーが側近に語りかけた会話を速記録してまとめ上げたものである。 当時、ヒトラーから最も信頼されていた秘書のマルチン・ボルマンが速記録を訂正、また本人から承認を取り、かつ個人保管していた資料なので、俗に『ボルマン覚書』とも呼ばれている。 (左)ヒトラーに忠実な側近中の 側近だったマルチン・ボルマン大将 (右)『ヒトラーのテーブル・トーク』 ボルマンはドイツ敗戦直前まで、総統秘書長、 副総統、ナチ党官房長として絶大な権力をふるった。 ヒトラーの卓上談義を記録した『テーブル・トーク』は、 「公式記録」として残されたものであり、俗に 『ボルマン覚書』とも呼ばれている。 ●この本の「解説序論」で、イギリスの高名な歴史家ヒュー・トレヴァー=ローパーは次のように書いている。 オックスフォード大学の歴