大阪・京橋から京阪電車に乗って門真市にやってきた。門真市は大阪近郊にある都市で、市の面積は大阪市内の区とそれほど変わらない小規模な自治体ではあるが、これまで松下電器(現パナソニック)の企業城下町として栄えた工業都市でもある。 常々大阪は商売の街やと言われてきた事だが、戦前に「東洋のマンチェスター」などと持て囃された当時から大阪はずっと工業都市なのである。そしてその社会の底辺を支えてきたのが大阪市内や門真なんぞに住んでいる工場勤めの庶民である。 高度経済成長期に合わせて地方から沢山の労働者が大阪へ移住し、バブル期以前まではうまく歯車も廻っていたが、それが工業衰退により失業や収入減に見舞われ、大量に建設された市営住宅の住民が高齢化し次々生活保護を申請する大貧民国デフレスパイラルの様相を呈している。 とりわけ企業城下町だった門真の地盤沈下は著しく、工業の海外シフトや不況の影響で地域経済は衰退、さ