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  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 前川理子『近代日本の宗教論と国家』について

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 夏に東京ブックフェアに出かけたときに、あまりに面白そうだったので、衝動買いした。博士論文をにしたもので、おそらく近代日思想史において今後、必ず参照されるべき研究と言えるだろう。前川さんは島薗進先生のお弟子さんということだが、先生の問題意識を少し違った角度から継承し、発展させている。前川さんがこの研究に取り組んだきっかけは蔵書整理ということで、そういう資料との邂逅体験というもの、よい歴史研究ではよく見られることのように思う。ともかく、このような形で師弟で学問を進めるというのはなかなか珍しいのではないか、と感じた。 このは「宗教」概念をめぐる議論、すなわち宗教論が、人格陶冶を導いて、それが国民統治の道具たる国民教育へと展開していく過程を

    maturi
    maturi 2016/12/08
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 対抗軸よりも主軸の振り返りが先ではないか?

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 連合総研のDIO最新号、私もいただきまして、拝読しました。いつもありがとうございます。さて、2016年1月号(311号)をめぐっては、濱口先生が「労働組合は成長を拒否できるのか?」という刺激的なエントリを書いて、私もfacebookとtwitterで拡散しました。もちろん、この企画は早川さんだろうなと思って、ともだちの早川さんのいるfacebookにも紹介しているんだから、人が悪いといわれれば、あえて否定はしません。そこに早川さんがコメントを書かれ、それを濱口先生のところにもコメントとしてかかれ、コメント欄がもり上がったという経緯です。私はこの件についてはリプライしていません。 濱口先生についてはもちろん、みなさん、ご存じでご紹介の必要もあ

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    maturi 2016/01/20
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 日高昭夫の五助論

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 日高昭夫さんの「ローカル・ガバナンスにおけるコミュニティの意義」という短い論文が数年前の自治労の機関誌に掲載されました。自治労の機関誌ですから、まあ電子化される気遣いもないのですが、これはすごく重要な論文で埋もれさせておくのはもったいないと思います。 日高さんの議論で面白いのは、自助、共助、公助という普通、我々が知っている区分はあまりよくないと言っています。少し引用しますが、 いわゆる「補完性の原理」とそれが連動することで、「自助」→「共助」→「公助」という垂直的な階層関係の上層に「公助(正確には上記の公助①の機能)」を配置する結果、現実の政治行政機能としては、財政危機などを背景として,たとえば生活保護制度の見直し論の一部にみられるような「

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    maturi 2015/01/04
    個人や家族の「自助」を基盤に、「民助」、NPOなどの「協助」、自治会などの「共助」を分けて捉えています。そして、オーバーラップする存在として「公助」があり、さらにはこの全てを含む形で「新しい公共」が構想
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 NHK第一ラジオ夕方ホットトークで語ったこと、語り得なかったこと

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 NHK第一ラジオの夕方ホットトークに出演して来ました。三週間くらいはネットで音源が聴けますので、御関心のある方はぜひ、聞いてみて下さい。音源はこちらから24日(水)の放送をクリックして、そこから聴けるようです。 私に取ってはあっという間の時間でしたが、放送は15分ありますので、簡単に内容を紹介します。タイトルが「年功賃金を歴史から考える」になっているのですが、放送自体は「賃上げ、中小企業の賃金をどうやってあげるのか?」という内容になっています。これは解説委員の竹田忠さんとそれこそ番数分前まで打ち合わせをして、今、まさに一番重要なことは何かを議論するなかで、これで行きましょう、ということになったからです。 放送の最初のポイントは政労使会議を

    maturi
    maturi 2014/12/27
    ポイントは賃金があがったかどうかよりも、賃金交渉を復活させたということなんです。()10数年、ちゃんとやられてこなかった賃金交渉を復活させたことの意義が大きいのです。賃金交渉をやらなかったということは
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳  職業訓練化は産業育成とセットでないと困難

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 今考えていることと、リンクしたので、一応、忘れないようにメモ代わりに。 実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議 濱口先生が刺激的と話をした、富山委員の提言ですが、たしかに面白い。ただ、これはもう一段、考えなければならないことがあります。 富山委員は、グローバルとローカルという対立軸を考えているのですが、ローカルというのは地域社会レベルで考えなければダメで、強いて言えば、この中間にドメスティックを入れる必要があるだろうということです。 コメントで指摘されていることもそうですが、要は問題は仕事の需要がないのに、それを排出してどうするんだということなんです。これは職業訓練もキャリア教育も同じです。ある方が仰っていたので

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    maturi 2014/10/25
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 賃金をめぐる長期に重要なこと

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 そういえば、春に『ビジネス・レーバー・トレンド』に春闘関連の記事を書きました。この雑誌は少し時間がたつと、公開になるんですね。リンクを貼っておきます。 なぜ、時機を逸しても書いておこうかと思ったのかというと、ここのところ、また組合の方といろいろお話しする中で、今、この問題は重要だなと感じるところがあったからです。 このエッセイでは、今年の春闘を一過性のものにしないために何が必要なのか、ということを書きました。春闘を支えてきた基盤が融解しているのだから、それを立て直さなければ、長期的な仕組みとしては成り立たない、という点。その際には、対立およびそこから生まれる緊張感の重要性をいくつかの角度から書いています。 究極を言えば、相手と戦って極限まで

    maturi
    maturi 2014/09/13
    専門を極めると、「無知の知」、何を知らないかが分かり、賃金で解決できる問題と賃金で解決できない問題を峻別できます。どんなに問題が重要であっても、解決できないのです。一番大事なのはどこがボトル・ネックに
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 大槌町東日本大震災津波復興計画基本計画改定素案 パブリックコメント

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 昨日締切であった大槌町の復興基計画についてパブリックコメントを書いてメールで提出しました。パブリックコメントなので、公表します。内容そのものというより、なぜこの基計画に足りない点があるのか背景を書き、それを補うためには、どのような施策が必要かを書きました。 基計画の前提にある問題 大槌町の復興計画に全部賛成するわけではないけれども、2012年5月に示された大槌町東日大震災津波復興計画実施計画に比べて、今回提示されている改定素案は格段にグレードアップしている。とくに、住民からの意見の吸い上げが住民復興協議会のみであったのに対し、各種の分科会を開くことによって、新しい経路を築き上げたことは評価されるべきだろう。私自身、実際の参加者からは

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    maturi 2014/03/10
    引き継ぎの問題は深刻だが、同じ自治体()同士の人事異動で起った問題である点において、何よりも深刻であると言わざるを得ない。端的に言って、県庁に期待できないということである。また、総合政策部は設立された
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 マシナリさんの紹介、所得政策と賃金政策

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 盟友のマシナリさんがブログに『日の賃金を歴史から考える』の紹介文を書いて下さいました。ありがとうございます。最初に、 書を貫くのは「賃金」ではありますが、その算定根拠、決定過程、企業内での実施状況やそれを取り巻く労働運動や経営者側の取組、さらにそれを実効あらしめようとする政府の施策が、主に明治時代以降の近代日歴史に沿って描かれていくため、見通しやすく読み進めることができます。もちろん、日の労務管理がイギリスやアメリカで発展してきた賃金決定の考え方を取り入れてきたという国際的な視野も含まれていて、これだけコンパクトにまとめられた金子先生の業績は、初の単著でありながら「名著」と評されるのも宜なるかなと。 と簡単に特徴をまとめていただい

    maturi
    maturi 2013/12/30
    財の希少性だけでは、SWや介護士保育士が高度な技術を持っていながら、低賃金であることを説明できない|雇主側の「支払能力」の問題と働き手側の自己犠牲の気持
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 新産業民主主義への中長期の戦略

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 床屋政談は続く。 マシナリさんから素晴らしいご指摘をいただいたので、少し論点を深めて書きたいと思う。発端は濱口先生の『新しい労働社会』の第4章について私が反論を書いたところから始まる。 『新しい労働社会』の提唱する新しい産業民主主義について 濱口先生によるご紹介 濱口先生のところにコメントを書いたように、私の意図は両方の極を作ることだった。マシナリさんが最初に書いてくださった記事は、まさにその点を正確に捉えてくださっている。第一段階において、私が考えたように二人でキャッチボールができたことをマシナリさんが評価してくださった形になったわけだ。そして、今やマシナリさんから頂いたコメントによって議論は第二段階に入る準備が整ったと考えている。 実は

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    maturi 2013/07/03
    労働組合なき世界をseinとして、ではどうするか、という問題意識
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 集団移住について考えておきたいこと

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 私の知る限りでは、大分早い段階で島薗進先生がツイッターで集団疎開を訴えていらした。これは主に原発を受けての首都圏からの移住であったと思う。さらに、津波を中心とした被害の大きかった被災地の状況が明らかになってくるにつれ、おそらくはソフトバンクの孫正義社長が中心になって、それこそ政府(仙石元官房長官)に訴えたりして、集団疎開を訴える声が大きくなりつつある。この間、私は稲葉さんに提供してもらった炭鉱労働離職者の調査と『復興コミュニティ論入門』というによって、いくつかの論点を考え始めた。これは要するに移民問題に似た性格を持っていることが了解された。 用意されるオプションは、 A:一次超短期避難(2,3カ月くらい:冬を越すまで) B:一時短期避難(

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    maturi 2013/01/01
    "私が宗教団体に期待するのは祈りを除けば、もっと物理的、かつ此岸的なことである。全国、場合によっては世界全体の支部組織と繋がるネットワークである。もともと近代日本に社会福祉を根付かせるときにも、救世軍
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 イギリスのsocial policyの概念について(2)

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 柏野論文はベヴァリッジの思想を概観するのにとても勉強になった。と同時に、私はベヴァリッジが主張している「自由」がおよそ市民社会における自由と関係ないことを確信した。ここまで来るのに、意外と時間が掛かった。このことを確認するためには、ハイエクとの比較が役に立つだろう。ただし、断っておくが、私は別にハイエキアンではないし、彼の言うことに全部、賛成しているわけでもない。もうちょっと正確に言うと、全部理解しているわけではない、というところかもしれない。 まず、ハイエクの言う自由は政府による権力の制限である。個人への干渉を出来るだけ最低限のものにとどめる、ということである。ハイエクはいわゆる市場主義者ではない。彼が市場経済を尊重するのは、それが自生的

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    maturi 2011/09/18
  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 CFW(Cash-for-Work)構想の先にあるもの:復興から地域振興へ

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 CFWJapan用に書き下ろした原稿です。元々はこちらで発表しました。こちらにも全く同じ文章を残しておきます。元の原稿は先週の木曜日(2011年3月24日)にあげて、少しだけ書き直しました。以下、文です。 東日大震災で多くの方が犠牲になり、未だその全容を把握できないほどの状況になっている。今は被災者も彼らに思いを寄せる者も現実を受け容れつつ、事態のあまりに大きな流れの中でもがき、それでも必死に自分のできることを探している。私の意見は、完全な復興は必ずしもすべて早急に達成されるべきとは限らないという前提に立っており、その点では少数派かもしれない。ここではそういう中でCFWを位置づけたいと思う。 日全体の一体感 与党・民主党は挙国一致体制

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    maturi 2011/04/25
    ”穴を埋めるために、全国自治体から、職安行政および商工農林水産行政、福祉行政を担当する部署のエースおよび今後のエース候補の若手を送り込み、文字通り国中の叡智を東北に集中して復興を支援”提案 胸熱
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