今回のイベントでジェレミー・コービンの支持者たちが配っていたチラシ最近の記事でお伝えしている通り、労働党の党首選で台風の目となっている左派候補ジェレミー・...今回のイベントでジェレミー・コービンの支持者たちが配っていたチラシ 最近の記事でお伝えしている通り、労働党の党首選で台風の目となっている左派候補ジェレミー・コービン。 一体どれほど人気なのか確かめるべく、彼のイベントに行ってまいりました。 イベントの名前は「London rally: Jeremy Corbyn forLabour Leader（ロンドン集会：　ジェレミー・コービンを労働党党首に）」。主催者は「Grassrootsfor Jeremy（ジェレミーの草の根支持者）」。 場所はロンドン中心部、キングス・クロス駅近くのカムデンセンター。ここは、先月、労働党の党首選のHustingsでも来た場所です。 入場は無料ですが、事前

トニー・ブレア元首相PhotobyUSAIDU.S.AgencyforInternationalDevelopment/CCBY-NC2.0（その１、２、...（その１、２、３もご覧ください） （6）コービンは、過去の労働党政権の「汚名」に汚されていない （労働党の党員ではない）一般の英国人には、ブレア・ブラウンの労働党政権（1997～2010年）について、良い記憶よりも、悪い記憶の方がより強く残っているようです。 ブレア・ブラウンの労働党政権は、公共サービス改革、法定最低賃金の導入、同性愛者の権利拡大、労働者の権利拡大など数々の功績を残しました。しかし、そうしたことより、イラク戦参戦やアフガニスタン派兵、「スピン・ドクター」によるメディア操作、「親密」であるとされたブレアとルパート・マードックの関係、閣僚の性的スキャンダル（これとかこれとか）、大学授業料の導入などの悪い記憶の方が、英国民

ウェストミンスターと（本物の）バブルPhotobyPhotoPhiend/CCBY-NC-ND2.0その2からの続きです（その1はこちらです）。（4）一般...その2からの続きです（その1はこちらです）。 （4）一般庶民が共感できないPRマシンの産物である政治家たちへの幻滅 ジェレミー・コービンは、「ウェストミンスター・バブルに住むキャリア政治家」という、英国によくある政治家像と違って、「正直」で「誠実」な、庶民が信頼、共感できる人物として支持者たちに映っています。 ウェストミンスターは国会や省庁が集まっているロンドン中心部の地域で、一般庶民の感覚からかけ離れた政治の世界だけで生きている政治家たちのことを、「ウェストミンスター・バブル（Westminster bubble）」の中に生きていると言って揶揄します。「キャリア政治家（career politicians）」とは、政治家になる前の

PhotobyLouisaThomson/CCBY-ND2.0その1からの続きです。（2）保守党の公共支出削減策に反対しない労働党への幻滅保守党（連立政権...（2）保守党の公共支出削減策に反対しない労働党への幻滅 保守党（連立政権時は自由民主党も）が福祉削減を含む公共支出削減を行うなら、野党の労働党はこれに反対するだろうと思うのが自然かもしれませんが、労働党はそうしてきていません。 5月の総選挙後に辞任したエド・ミリバンド前労働党党首とエド・ボールズ前影の財務相（総選挙で落選）は、労働党が総選挙で勝利したら、保守党より程度は軽いものの、公共支出を削減するとの方針を打ち出していました。労働党は、総選挙のマニフェストで、「医療、教育、海外援助を除く分野で公共支出を削減」し、「財政赤字を毎年削減する」ことを公約していました。 放漫財政ではない、責任ある財政政策を打ち出すことが目的でしたが、こう

ジェレミー・コービン支持者の若者たちPhotobyJasn/CCBY-NC2.0英国の政治ニュースは、相変わらず労働党の党首選でもちきりです（国会が夏休...英国の政治ニュースは、相変わらず労働党の党首選でもちきりです（国会が夏休みで他にネタがないからでもありますが）。と言うのも全て、最近の記事でお伝えてしている通り、強硬左派（hardleft）のジェレミー・コービンが、このまま行くと本当に当選してしまいそうな気配だからです。 それではなぜ、英国で今、ジェレミー・コービンがそれほど多くの支持を得ているのでしょうか。 （1）　ジェレミー・コービンは「希望」を与えている。 英国では、前政権（保守党と自由民主党の連立政権）から現在の保守党単独政権まで、財政赤字解消を目的とした緊縮財政措置が実施されており、福祉削減を含む公共支出削減が続けられています。 しかし、労働党の党首選の候補者4人の中で、

今や労働党党首選の大本命となったジェレミー・コ―ビン議員PhotobyJasn/CCBY-NC2.0ここのところずっとお伝えしている通り、労働党の党首選...Photo by Jasn/CC BY-NC 2.0 ここのところずっとお伝えしている通り、労働党の党首選で左派候補ジェレミー・コービンへの支持が急上昇しています。 先週はさらに、主に公共部門職員をメンバーとする大規模労働「ユニゾン（Unison）」と、通信労組CWUがジェレミー・コービンへの支持を表明しました。 加えて、前の記事でお伝えした、労働党の支部による党首選候補者の推薦投票が7月末で終了ししましたが、ジェレミー・コービンが、他の3人の候補を抜いて最も多い推薦を獲得しました。 さらには、デーリー・ミラー紙にリークされた「内部調査」で、またもやジェレミー・コービン当選の見込みが示されました。しかもこの調査では、第1ラウンドの