「呉国の阿蒙さんは、教養のない武人として知られていたが、主君のアドバイスに従って見違えるような戦略家になった」という三国志に登場する呉国の呂蒙にまつわる逸話から出た故事で、人間は勉強と努力で変わるものだという教えです。 呂蒙は三国志にでてくる呉孫権のもとで活躍した武将です。 字は子明、安徽省出身、子供のころから江南に移り、軍隊に入ったが、腕力に秀で、武術や戦闘が大好きでたちまち頭角を表わし、一軍の将となりました。部下を育てるのがうまい当主の呉孫権は、武骨で乱暴な呂蒙ではあるが、育て方によっては立派な戦略家になれる素質があると考えたのです。 あるとき、「君も、一軍の将になったのだから、さらに伸びようと思ったら、武芸だけでなく兵法や学問を身につけなさい」とすすめました。すると乱暴者の呂蒙は、すぐ反抗して「なにぶん、軍務多忙でございます。本を読んだり、字の練習をしたりする暇はありません」と返事を