今回から「お金は借用書(IOU)だ」の意味を考えてみます。 これはちょっと面倒くさい作業に見えるかもしれません。けれど「言葉を大事にする」とはちゃんと考えることであり、ちゃんと考えないと見落としてしまうことを見落としてほしくないとじぶんは願っています。筆者がいつも問題にしている「障碍者や難病者やその家族のことを、日本語者だけが見落とす現象」はここに原因がありそうです。 「持っている」「借りている」とは? 日本語の話者とそうでない人たちとは「いのちについての感覚」がかなり異なっていると感じます。 じぶんが知る限り、日本語話者でない人々の多くはこんな基本認識を持っている気がします。 人間は裸で生まれて裸で死んで行くのだから、その期間に起こることは「永遠の自分のもの」ではなく「世界から借りている」感じのものである。自己の命や人生は世界からの借り物だ。 逆に言えば、日本語社会というところは突出して