紀元前5世紀、新興のアテネと、それに対抗する既存勢力のスパルタとの間にぺロポネソス戦争が起きた。ここから歴史家のトゥキディデスは「新興の大国は必ず既存の大国へ挑戦し、既存の大国がそれに応じた結果、戦争がしばしば起こってしまう」との法則を見出した。この法則を「トゥキディデスの罠」という。トゥキディデスは、「戦争を避けられなかった原因は強まるアテネの力と、それに対するスパルタの恐怖心にある」と指摘した。アテネとスパルタの戦争は、30年も続いた末に、両国とも滅びる結果となった。 これは歴史上15回起きたと言われているが、そのうちの11回で戦争へと発展している。近いところでは新興のドイツによる既存のイギリス帝国への挑戦であった。この時は1914年と1939年の2回にわたって世界大戦を引き起こした。イギリスの築いた世界秩序に対するドイツの挑戦であった。 現在、中国の習近平国家主席がアメリカを訪問して
![トゥキディデスの罠と国際秩序 - 学際知の地平](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/458da7b3ad7c9c77edc17a5532f5fceb85460fc3/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Ft%2Ftribnia%2F20150829%2F20150829101502.png)