日本人が数世紀も前に壊れた器を金で繋ぎ合わせるように、金の糸で過去を繋ぎ合わせるならば、過去は、そのもっとも痛ましいものでさえ、財産になるでしょう。 -ラナ・ゴゴベリゼ監督 女性作家エレネとその人生に関わった人々の過去、そしてソヴィエト連邦下の記憶。 伝説的な女性監督ラナ・ゴゴベリセが91歳にして、日本の“金維き”に着想を得て描いた過去との和解の物語。 トビリシの旧市街の片隅。作家のエレネは生まれた時からの古い家で娘夫婦と暮らしている。今日は彼女の79歳の誕生日だが、家族の誰もが忘れていた。娘は、姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたので、この家に引っ越しさせるという。ミランダはソヴイェト時代、政府の高官だった。そこへ、かつての恋人アルチルから数十年ぶりに電話がかかってくる。やがて彼らの過去が明らかになり、ミランダは姿を消す・・・。 3人を結ぶ過去が語られ、ソヴィエト連邦下の記憶が重