いま、自衛隊では大きな異変が起きている。防衛省内部の情報源を多数含むため、取材・執筆メンバーを明かすことができない匿名取材班〈Project Army〉が、読者に届けるのは〈自衛隊の是非〉ではなく、〈自衛隊の現状〉と〈憲法9条の限界〉である。 この記事は、賛否を呼ぶかもしれない。しかし、ただ1点、僕らが〈自衛隊の将来像について、今すぐに議論を始めなければならない〉という点だけは、異論がないはずだ。 「私は、保守を自任していますが、いまの自衛隊はさすがにマズい。このままでは、将来の司令官たる将官の卵たちの頭の中が、〈ネトウヨ思想〉に汚染されてしまいます」 人目をはばかり、取材班を自宅に招き入れた防衛省の中堅幹部(背広組)は、深刻な表情で言った。はたして、ネット右翼に思想があるのかどうかは疑わしいが、中堅幹部から聞かされた自衛隊の〈将校教育〉の現状は、危険なものだった。 始まりは2016年6月
10月のある金曜の晩、夜行バスで大阪に向かった。目的は、大阪エキスポシティの『ダンケルク』(Dunkirk, 2017)IMAX次世代レーザー上映だ。来年のアカデミー賞で、同作が受賞、または、ノミネートされるだけで、おそらく再上映されるだろう。だが、最初の上映期間が終わる前に、どうしても、1度でいいからIMAX次世代レーザーを体験したかった。 § 私は、ここ数年で、同じ映画を観るために映画館に通うようになった。きっかけは、2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(Mad Max: Fury Road)だ。待望のシリーズ新作だったので、一部の映画ファンが沸き立っているのは知っていたが、前作も観ておらず、新作を観るつもりはなかった。しかし、公開後2週間が過ぎた頃、友人に誘われるままにチケットをとり、映画館に足を運んだ。映画が始まった瞬間、没入感に圧倒されてしまった。いったん
第1回で〈不適切な人物たち〉が自衛隊に浸透している実態、第2回でいわゆる〈ネトウヨ〉にさえ、すがらなければならないほど混迷した状況と、制服たちの心象を記した。 今回はそれを踏まえて、制服組の不満と焦りを、文官たちにぶつけたレポートを紹介する。 そして、そのような事態が起きてしまう根幹の問題について考えてみたい。 前回記事の末尾で触れたように、匿名取材班Project Armyは、取材で得た〈制服たちの声〉を、防衛研究所をはじめとする自衛隊の各種学校で教鞭をとる複数の文官、文官教官、防衛省内局の背広たちに届け、彼らの見解を集めた。以下、制服たちの声を太字で表記し、その声に対する文官たちの反応を掲示する。 ーー文官、文官教官や背広組は、靖国神社の遊就館や知覧特攻平和会館で、祖国を守るために殉じた先人を思い、涙をながす防大生や自衛官を見下している。 (文官A): 「遊就館でも知覧でも、祖国に殉じ
前回、自衛隊の内部に〈不適切な人物〉が浸透している実態を報じたが、今回は自衛隊が〈なぜ、彼らを招く必要があるのか〉について、現場で危機感を募らせる制服組の話を中心に紹介したい。 「いま起きている事態は、大きくは制服〔武官〕と文官の対立、細かくいえば、三軍(公式には、3自衛隊と表現される)で考えを異にする制服同士の対立、さらに制服の上下関係における対立という側面があります」 こう語るのは、〈陸上自衛隊・富士学校〉で教鞭をとる1人の制服だ。 「三軍で考えを異にする制服と制服の対立は〈米軍との距離〉をどう考えるか、という点から始まっています。大きな枠組みとして、海上自衛隊は米軍との距離をさらに縮め、実質的には〈統合運用〔自衛隊が米軍の一部として行動〕〉することを目指しています。この方針を現職中に堂々と主張した1人が、武居さんでした。 対して、陸上自衛隊は、ロジスティクス〔兵站/軍隊を運用するため
「詐欺の子たちはみんなカラフルですね。例えば、窃盗やってる人間には窃盗やってる人間のカラーがあります。一般社会にはないカラーで、それはそれで取材対象の彩りとしては魅力的なんですが、詐欺をやってる人間は『こいつ詐欺やってんな』というひとつの色ではなく、カラフルなんです」 特殊詐欺の被害総額は、警察が把握しているだけで559億円(2014年)。そして今日も、持てる者たちから持たざる者たちが奪い取っていく。加害者への取材を通してこの重犯罪の実態に迫ったルポ『老人喰い ─高齢者を狙う詐欺の正体』を上梓した鈴木大介にインタビュー。振り込め詐欺をシノギとする若者たちの生態や心情から、アウトローを取材する記者稼業の本音にまで話が及んだ。 * 鈴木さんが裏稼業の子たちを取材しつづけるのはどうしてですか? 取材を始めたキッカケは、純粋に需要があったからです。いまに始まったことではなく、さまざまな社会の裏側の
Someone used an algorithm to paste the face of 'Wonder Woman' star Gal Gadot onto a porn video, and the implications are terrifying. There’s a video of Gal Gadot having sex with her stepbrother on the internet. But it’s not really Gadot’s body, and it’s barely her own face. It’s an approximation, face-swapped to look like she’s performing in an existing incest-themed porn video. The video was crea
24歳の教師で1児の母、ハイディ ・ベネクンシュタイン (Heidi Benneckenstein)は、約1年前まで、〈ハイドラン・レデッカ (Heidrun Redeker)〉というネオナチ団体に所属していた。ミュンヘン近郊の極右家庭に生まれたベネクンシュタインは、統制、従属、狂信的な愛国心を重んじる、〈第三帝国 〉のフェルキッシュ(völkische)という価値観のもとで育てられた。 ベネクンシュタインは〈ハイマトロウエン・ドイチェン・ユーゲント (Heimattreuen Deutschen Jugend、HDJ)〉という青少年クラブに加入し、7歳のとき、HDJ主催のサマーキャンプに初めて参加した。次世代ナチスのエリートを育成する団体だ(2009年、ドイツ内務省はこのクラブを閉鎖した)。そこで彼女は、ホロコーストを否定し、ヒトラーの誕生日を祝っていた。 現在、教師を務める傍ら、執筆活
いきなり編集長が、「〈焼魚〉って苗字だったら、なんて名前がいいと思いますか?」と訊いてきました。「めばる…かな。〈焼魚めばる〉です。女の子です」と答えたら、「いいですね。私だったら、なめろう、です。〈焼魚なめろう〉です。こっちは男の子です」と返してくれました。最高の名前だと思いましたが、なめろうは焼魚じゃないし、それになんでいきなりそんな質問するんだろうと不思議でした。結構長い付き合いですが、まだまだ知らないもんですね。 日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。 ※ 塚本晋
アートという名を堂々と使う人が基本的に嫌いだ。なんか偉そうだし、分かった風の物言いを上から目線で語ろうとする人ばかりに出会ってきたからかもしれない。また、なんとか自分の作品をアートに装おうと、難しい言葉や難解に振る舞うあざとさを、少しでも見て取れてしまうと、作品に対しても一気に冷めてしまう。ことアートこそ、単純にやりたいからやってる、やるしかないといった純粋さこそが、その表現の魅力なんじゃないかと勝手に解釈している先入観のため、より一層そう感じるのかもしれない。もちろん人それぞれ複雑な胸の内と繊細な環境があるのだろうし、こちらの勝手な思い込みや無知な部分が多いことは十分承知のつもりではあるのだが。 「若き写真家が見る歪んだ世界」、連載第3回目は好きこそ物の上手なれ、そんな格言を地で行く写真家、水谷吉法の作品とインタビューをお送りしたい。 ※ まず、作品を作る際のコンセプトを教えてください。
農場でポケモンを1匹見つけるまでに1時間以上を要した。見つけたのは、テキサス南部の陽射しから隠れるかのようにウチワサボテンの間に潜んでいた意地悪そうな顔をした「ドードー」だった。iPhoneの上で親指をすべらせると、このあたりの住人から「釣りの浮き」と呼ばれそうなボールの中に、ドードーは消えていった。 捕まえると、もちろん高揚感はあったが、こういった体験は過程が面白い。36℃の炎天下のピジョットやリザードンを見つけることはできなかったものの、とげとげしいキンゴウカンの茂みの下でガラガラ蛇の抜け殻を見つけた。メスキートの間をちょこまか走るアルマジロやトカゲを見つけ、あまりにもイノシシの痕跡が多かったのでバックナイフより威力のある武器を持ってくるべきだった、と後悔したりもした。 これが、テキサス州ゴリアド(Goliad, texas)の北に広がる何もない土地での、『ポケモンGO』体験だった。ほ
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