【出典】「2019年度・自動車保険の概況」(損害保険料算出機構)151頁、第42表「交通事故高額賠償判決例(人身事故)」から抜粋 もちろん平均的な金額というわけではないですが、4億円から5億円という数字が並んでいます。このことから「自転車より四輪車の事故の方が賠償額が高い」と思われるかもしれませんが、これは間違いです。 賠償額の高低は、加害者の乗物によって左右されるのではなく、被害者の受けた「損害」の金額に左右されます。 例えば、上表の最高額である「5億2853万円」の事例では、41歳と働き盛りの開業医が死亡した事故ですので、逸失利益が高額となったことが全体の賠償額を押し上げたと推測できます。 これに対し、先の自転車の事故での「3」「4」「5」の各死亡事故では、開業医ほどの年収はなく、また残された就労可能期間が短い(「4」「5」)ことが逸失利益に影響したものと推測できます。 つまり、上の例