著者: 菅原さくら 桜並木にほっとした、江古田で迎えた春 「ファミリー向け」「下町」「スタイリッシュ」などと単一的なイメージを持たないところが、江古田の良さだと思う。街の空気はおだやかだし、少し歩けば緑豊かな江古田の森公園もある。でも、雑多な多国籍料理のお店にちょっと隠れ家風の花屋、流行りのヤンニョムチキン屋などが並んでいて、カルチャーの香りも忘れない。そのごちゃ混ぜなトーンが、これから初めて子どもを育てる私たちにはぴったりだと思った。 江古田に引越してきたのは、長男の臨月を間近にひかえた冬。学生時代からずっと早稲田界隈に住んでいたけれど、出産をきっかけに、義実家の近くに移ることを決めたのだ。 新しいマンションはとても気に入っていたし、子育てに向けて暮らしを整えられるのもありがたい。ただ、江古田駅の南口を降り、千川通りの交差点に差しかかったとき、あまりに風が強くて驚いた。冷たい風とあいま