「優性/劣性」が変わった─遺伝学用語集改訂の意義(小林武彦 日本遺伝学会会長)【この人に聞きたい】 パーソナルゲノムを知ることができる時代だからこそ 「誰も傷つかない」中立的で正確な用語が ますます重要になってくる こばやし たけひこ:1963年生まれ。九大大学院修了(理学博士)。米ロシュ分子生物学研究所、米国立衛生研究所、国立遺伝学研究所などを経て現在、東大分子細胞生物学研究所教授。2017年より日本遺伝学会会長。近著に『DNAの98%は謎―生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か』(講談社ブルーバックス) 日本遺伝学会は昨年9月、20年以上ぶりの大改訂を施した遺伝学用語集(『遺伝単』生物の科学遺伝 別冊)を刊行した。遺伝における形質の表れやすさを示す「優性/劣性」を「顕性/潜性」へ言い換えるなど、画期的な提案がなされている(表)。同学会会長の小林武彦氏に改訂の意義を聞いた。 中立性と初