ブックマーク / topnotch.hatenablog.com (79)

  • デタラメな体重計 - 眠る前に読む小話

    その体重計はデタラメだった。どうデタラメかというと、正しい体重を教えてくれないのだ。 乗る度に1キロ増えたり、2キロ減ったり。ひどい時は10キロ増えたりする。 しかし、その体重計が、2017年にばか売れした。ポケモンGOを超えるヒットとなった。 人々はその体重計を愛用した。ご飯をべすぎた日なんかはそれに乗って、「あら、あんなにべたのに、体重増えてない」と自分を騙すことができた。 あるいは、気にわない体重だと乗り直して自分が望む体重にすることができた。 人は実は自分の当の体重なんて知りたくなかったのだ。だから、このデタラメな体重計はその人々の願いを叶えることができた。 なお、その体重計では100円を入れると、必ず10キロ低い体重を出してくれる。貯金箱としても活用できるだろう。

    デタラメな体重計 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/12/02
    欲しいです☆
  • 飲食店が考えるベストな食べログの点数 - 眠る前に読む小話

    知り合いで飲店を経営する若手がいる。彼が言う。 「べログの点数は3.4くらいがちょうどいいんだ」と。 どういうことか? べログは3.5点を超えると、★が赤くなる。つまり「良い店」を考える基準として3.5点を考える人が多いようだ。 その結果、お店が3.5を超えると、「味にうるさい人」が増えるということになる。 よって、店は、より「厳しい目」で店が評価される。味だけではなく、雰囲気やコスト、立地、サービスまでも。そうするとスタッフの負荷は高い。何より「3.5だからいい店だよね」という目線で店にくる。すると、期待はずれの点があれば、厳しく評価される。 逆に3.5以下でいれば、「点数をあまり気にしない人」「そもそもべログを見ない人」が集まることになる。期待値も高くない。スタッフもゆうゆうと働くことができる。 それらを考えると、べログの点数は3.4くらいが一番いいのだとか。

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    maxa55
    maxa55 2016/12/02
    たしかに!
  • なぜ美味しくなくて安くない中華料理屋が? - 眠る前に読む小話

    少し都市から離れた街の駅。一しか通らない路線。東京や新宿までは1時間弱。 そんなどこにもありふれたような駅の駅前には、だいたい中華料理屋さんがある。屋がなくても中華料理屋さんがある。 味は特に美味しいでもなく、あるいは、雰囲気が良いわけでも、安いわけでもない。ボリュームはあるけれど。 「なぜ、こんな店に人が入るのだろう」と思うけれど、実はそんな店にもちゃんとしたニーズがある。 それは「空いていて、誰もいないような堂が好き」という人種はどこにでもいるからだ。 彼らはうまくなくても、安くなくても良い。空いているのが重要なのだ。そして、空いているためには「美味しくはなく、そして、「安くもない」というのが重要だったりする。美味しくて安いならば人が入るからだ。 そんな天邪鬼に支えられて場末の中華屋は今日もお店を開いている。 「客の入ってない中華料理屋では、銃が売買されている」というブラックジョ

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    maxa55
    maxa55 2016/12/01
    わかる気がします☆
  • Amazon戒名 - 眠る前に読む小話

    ※今回は少しブラックジョークです。ご容赦ください 「Amazonのニュースみた?家事代行も始めるそうじゃない」 - そうなの。すごいね。そんなのも手がけるんだ。 「サービスえCといえば、同じく『お坊さん便』っていうのがAmazonで話題になったじゃない。」 - ああ、それ買えば、お坊さんをデリバリしてくれるってやつね」 「デリバリというと、なんかいかがわしい感じにも聞こえるのであれだけど、手配してくれるやつね」 - 安かったらいいよね。どこ頼めばいいかわからないし。ただ、「やべ、今日、じいちゃん他界しちゃった。明日必要だ」という時に間に合わなかったらだめだから、やっぱり、Amazonプライムマストかしら 「いや、Amazonプライムに入ったからといってお坊さんの手配を急いでくれるわけじゃないから。あと、そもそもあれはお葬式とかじゃなくて法事のお坊さん専門だから。そんな『今日死んだから、今日

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    maxa55
    maxa55 2016/11/27
    おもろいです(≧∇≦)
  • 雪の中の生足 - 眠る前に読む小話

    11月の東京で雪が降った。明治8年以来、初だそうだ。あまりに急な雪にに衣替えを出来ずにうっかり秋のジャケットで家を出ると凍てつく空気が身体を襲った。 - ダウンを出しておくべきだった と思いながらも人で溢れる電車に乗る。携帯では「電車遅延」のアラートがどんどん飛んでくる。 雪がうれしいのは学生の頃までだよな、と思いながら、どんよりとした顔つきの乗客たちを眺める。雪は滑る。寒い。交通機関が麻痺する。何も良いことがない。美しいというのは、いいことだけど。 目的地について駅から出ると、うっすらと雪が積もっていた。こんな日に革は悲劇だな、と思いながらも慎重に歩道を歩く。傘には、みぞれ化した雪が勢いよく降る。 そんな中、前を見ると、「まさか」と思うような格好をした女性が歩いていた。思わず二度見する。 彼女は黒のホットパンツで、生足をこれでもかと露出していた。もっとも上はダウンジャケットを着ていたけ

    雪の中の生足 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/11/25
    確かにそうかもしれませんね。貫くのは大変だと思います(>_<)
  • 現代の関ヶ原 - 眠る前に読む小話

    最近、町中で急に刺されたり、暴行されたりという事件が増えている、とシゲジロウは思った。昔みたいにオヤジ狩りの心配もある。先日は池袋でチーマーにも追いかけられた。 そんな悩みを抱いていたところ、シゲジロウは、あるCMを見かけた。 「これだ!」とシゲジロウは思った。 甲冑を身に着けておけば、襲われても身を守れるのではないか。 そうしてシゲジロウはすぐさま甲冑を買った。メルカリで買った。 室町時代につけられていたという一般的な桶側二枚胴だ。兜がなかったので、別で黒漆塗の南蛮式のものを別で買った。刀も買いたいところだが、銃刀法違反になるので辞めた。全部で10万円弱したが、命には代えられない。 ただし、困ったことがいくつか起きた。まず、朝起きてから準備までが大変だ。20分はかかる。冬は中にヒートテックを着ればいいが夏は、暑い。 次に出社時の満員電車で嫌がられる。スペースを取りすぎだ。路上では何度か警

    現代の関ヶ原 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/11/23
    確かに甲冑を着ている方がいたら距離をとっちゃうと思います☆
  • 器の大きい人って? - 眠る前に読む小話

    「ねえ。タカさん。こないだコンパで女性陣に好きな男性の条件を聞いてたんですよ。それで多かった答えが『器の大きい人』でした。 器の大きい人ってわかるような、わからないような、難しくないですか。『身長が高い人』とか『優しい人』ってわかるけど、『器が大きい人』って。わがまま聞いてくれたりする人ってことなんですかね」 「器って、許容力なんだよ。器に入るのは想定内のことばかりじゃない。それ以外の失敗であったり、想定外の出来事であったり、プレッシャーの大きいことだったり、自分が受け止められないようなことが起こる。それを焦らず、しっかりと受け止められる力が器の大きさなんじゃない」 「なるほどー。でも、それって、どうやったら大きくなるんですかね。生まれつきなんですかね。なんだか性格に近いから生まれつきのような気がするんですが」 「生まれつき器の大きい人間はほぼいないよ。もしいたら、それは鈍感というだけだよ

    器の大きい人って? - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/11/20
    違う価値観を受け入れることを愛と呼ぶという話を聞いたことがあります☆器が大きな人は愛があるんでしょうね。
  • コーヒー券 - 眠る前に読む小話

    「先日はありがとう。助かったよ。これ、息抜きにコーヒーでも飲んで」と、渡されたのはスターバックスのギフトカードだった。1000円分。 先日、私は彼の仕事を少し手伝った。彼がどうしてもその日中に作らないといけない資料があり、彼は隣に座る私に助けを要請してきた。3時間の残業を追加し、私は彼の作業を分担した。 仕事をしてるとお互い持ちつ持たれつだから、助けることはあまり気にならなかった。何より私は彼を助けたかったし。ただ、こうお礼をしてもらえるとやはりうれしい。 それがお金だったりすると生生しいし、百貨店のギフトカードだと使いづらいけれど、スターバックスのカードは、たしかに気にせず受け取れて、そして、うれしい。 何より「息抜きにコーヒーでも飲んで」という一言が添えられるのがいい。もちろん、「お礼に夕でも」の方がもっとうれしいけど、それだと5日間くらい手伝わなくちゃ。 私はこのカードを使うときに

    コーヒー券 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/11/20
    この感じ好きです☆
  • いともたやすく行われるえげつない行為 - 眠る前に読む小話

    ドラマの『逃げるは恥だが役に立つ』を見ていた。 主人公はある夫婦。ただし、恋愛結婚ではなく、契約として結婚した夫婦が主人公だ。いわば偽装結婚、仮面結婚。 そのことがある人(百合さん)にバレそうになる。は、「隠すのが大変だから、ある人に当のことを言おう」とする。 それに対して、夫がこう言う。 百合さんに当の事を伝えるのは、百合さんに罪悪感を肩代わりさせることになる つまり、秘密を打ち明けられた方は、言われたこと(=秘密)を持つことになる。もしこの夫婦の親などに聞かれても「知らないふり」をし続けないといけない。共通の友達にも嘘をつき続けないといけない。 言った当人たちは気が楽になる。ただ、その楽になった責任は言われた人に転嫁されただけだ。 これに似た話を聞いたことがある。 「俺は、女性とデートをする時は、隠し事ができないんで、嫁に言っちゃうんだよね」 ある男が言う。 身体の関係のない

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    maxa55 2016/11/17
    その通りだと思います!!
  • 偽り - 眠る前に読む小話

    いま、流行りの出会い系アプリを使っていた。出会い系といっても、一昔あったようないかがわしいものよりも、もっと結婚恋愛を意識した出会い系だ。 Facebookの登録が必須だから、相手の友達数による安心感があるようで使っている女性も多い。友達数はなかなか偽造できないので、その数が多い人の名前は物だろう、と思われるわけだ。 そんな中、ある男性と仲良くなり事に行くことになった。そして、事の最中にこんな質問を聞かれた。 - れいさんは女性ですよね? と。 冗談か何かかな、と思ったので「多分、女性だと思います。髪の毛長いし」と返した。 すると、相手は「良かった」という言葉とともに、ある話を教えてくれた。 彼がこのアプリで出会った人がいた。話がハズんだ。ご飯に行きましょう、となった。とてもきれいな人だった。そしてその日はそれで別れ、2回目のデートに行った。そして、その二軒目で「実は私は男性なの」

    偽り - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2016/11/10
    こういう展開好きです☆
  • 夏は冬より短いよね?!! - 眠る前に読む小話

    「春夏秋冬というけれど、なんだか夏は少ない」という不満を常々持っていた。 というのも、春と夏の間に梅雨という季節があるからだ。 梅雨が空けるのは7月の終わり。そして、夏は8月が盛りで、9月は消化試合としての夏があるだけ。そもそも我々は小学生の頃の記憶で「夏休みは8月いっぱい」ということが刷り込まれているので、夏は8月までの印象が強い。 だから、実質、夏は8月の一ヶ月しかないのだ。 対して冬は長い。11月くらいから、3月まである。5か月もである。我々の人生の5/12(42%)を冬の中で暮らしているのである。冬派に有利な季節になっている。なんたることだ。 だから夏好きの私としては「なんだか不公平だ」と思っていた。 しかし、最近、新しい気付きがあった。 よくよく考えてみると3月が終われば「もうすぐ夏だ!」という気分になるので、そう考えると、4月から「夏前」とも言えなくもない。そう考えると、夏は4

    夏は冬より短いよね?!! - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2016/11/08
    こういうの好きです☆
  • ロッカーに「ロッカーで良かったこと」を聞いてみた - 眠る前に読む小話

    ロッカーの中から世の中を眺めていると、たくさんの人の日常が見える。 旅行者、学生、会社員、OL。多くの人はこれから何か用事に行く時に「大きな荷物が邪魔だから」といってロッカーを使う人が多い。主には旅行者が多いかな。 使われ方は変わらないけれど、使い方はますます便利になっている。昔のようなキーだけではなく、暗証番号やSUICAでのキーを使うこともできる。最近では冷蔵機能の付いたロッカーもできてきている。 ただ、悲しいことに、まれに犯罪に使われることもある。1974年には爆弾がロッカーに仕掛けられたし、アダルトのDVDや薬の受け渡しに使われることもある。暗証番号さえあれば誰でも開けるからだ。また1973年ごろには、新生児がロッカーに預けられた。その事件をモチーフにした小説を村上龍は「コインロッカー・ベイビーズ」として出版した。 ただ、そんな使われ方はごく1部だ。基は、みんなの笑顔が見られる仕

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    maxa55 2016/11/05
    ロッカーの視点という発想は面白いですね(^_^)
  • 今日はついてないな、と思う時には - 眠る前に読む小話

    「悪いことが続くな」という時がある。 たとえば 就職活動でお断りのメールが届く 財布を落とす パチンコで大負けをする といった出来事が1日に重なった時。 あるいは「恋人に浮気された日に、会社が倒産して、父親が事故にあう」といったような時もあるかもしれない。 そんな時はこう思う。 - 今日はついていないな、と。 しかし、それは行動ファイナンスという「人間の行動を科学する学問」において「ランダム系列の誤認知」と言われる。つまり、来はランダム(=偶然に起きたこと)なのに、それがたまたま「重なって起こる」と、何かそこに意味があるのではないか、と考えてしまうことである。 最初の例でいえば「恋人にふられる」ことも「会社が倒産する」ことも「父親が事故にあう」ことも、別々の事象で、論理的に考えると、それらが重なったのは「たまたま」と考えるのが道理である。しかし、人は、このような悪いことが重なると「なんだ

    今日はついてないな、と思う時には - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2016/11/05
    マイナスなことの方がリアルに想像できるので、ついていないと思うと自分で自分をマイナスに持って行ってしまうのかもしれませんね☆
  • あなたが要らないもので世界が動く - 眠る前に読む小話

    「お釣りはここに入れておいてください」と、男の人は募金箱を指差しながら、立ち去っていった。 レジの金額が198円だったので、お釣りは2円だろうか。レジの人はその2円を募金箱に入れていた。 彼は寄付をしたいから入れたのかもしれないし、あるいは、お釣りを待つ時間がもったいないから、そう言ったのかもしれない。レジのお釣りを待つ時間を5秒だとすると、彼にとって、その5秒は2円以上分の価値があったのかもしれない。時給1440円以上だと、5秒は2円以上の価値になる。 つまり、彼にとっては、2円をもらわない方が、お金がたまるという計算になる。もちろん、その5秒分に仕事をしていなければ、意味がないけれど。 笑い話で、ビル・ゲイツが1万円札を落としたら、それを拾っている時間の方がもったいない、ということを聞いたことがあるが、彼の稼いでいる金額からすれば実際にそうなんだろう。 こう考えると、世の中には、実は「

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    maxa55 2016/11/03
    成田空港のガチャガチャの話は面白いですね!確かに価値は場所と状況により変化するのでしょうね(^_^)
  • 衣装被りから見るハロウィンの妙味 - 眠る前に読む小話

    ハロウィンに参加する人たちのモチベーションとはどのようなものなのだろうか。 自分が着たい服を着て自己充足感を高めるもの? 人にコスプレを見てもらい承認欲求を見たすもの? パーティーピーポー向けのアドレナリン放出祭り? 人によってそのような動機はあるだろう。しかし、参加していないとなかなか気づかないハロウィンの効用が存在する。 それは「同じコスチュームを着た人と出会う」という楽しみである。 もちろん、ありふれた衣装だと、その出会いの価値は低い。しかし、あまり人が着ない服だと、同じ衣装を着ている人との出会いは、まさに”邂逅”とさえも称されるべきものである。 自分が着たい衣装を着て、たまたま同じセンスを持った人と出会う。それは、人生の妙味と言わずして何であろうか。「同じ趣味の出会い」「同じミュージシャンを好きな人との出会い」「同じ感覚を持った人との出会い」。それが、ハロウィンでの衣装被りなのであ

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    maxa55 2016/10/30
    袖振り合うも多生の縁なのでしょうね(^_^)
  • 風に答えを求めて - 眠る前に読む小話

    2016年のノーベル文学賞はボブ・ディラン氏が受賞した。村上春樹氏だ、といわれていたが、村上氏は受賞にいたらなかった。 この両者の名前を聞くとある共通点を思い出す。 ボブ・ディラン氏の有名な作品に「Blowin' in the Wind(風に吹かれて)」という歌がある。最後は「The answer is blowin' in the wind(答えは風に吹かれている)」というリフレインが印象的な名曲だ。 答えはや世の中にあるのではなく、答えは風に舞っている という思いが込められている。 それが意図するものは色々に解釈できるだろう。「答えは誰もわからない」とも取れるし、「動くことでしか物事は解決しない」とも取れる。いずれにせよ、この歌は多くの人を動かした。 また、村上春樹氏の最初の長編作は「風の歌を聴け」だ。ただし、これは、ボブ・ディラン氏からとったタイトルではなく、トルーマン・カポーティ

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    maxa55 2016/10/13
    毎日創作すごいですね!いつも楽しみにしています(^_^)
  • なぜ彼らはインターネットに殺されたのか? - 眠る前に読む小話

    2017年、ついに脳波で操作するパソコンが実用化されました。 脳に埋め込むタイプではなく、頭皮上に電極をおくヘッドセットタイプです。 利用者はそのヘッドセットを通じて、脳波による指示をパソコンに送ることができるようになりました。パソコンは、その依頼を受け、メールの作成や動画の再生、パソコンのオンオフなどができるようになったのです。 アーリーアダプターとして、それらのヘッドセットを使い始めたのは一般の方々ではありませんでした。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方や四肢麻痺などの手足での操作が不自由な方々に感激をもって受け入れられました。 一般の人たちが使い始めるようになったのは、さらにそれから3年後です。 きっかけは、IoT(モノのインターネット)との接続です。それにより、脳波でパソコンだけでなく、インターネットと繋がったテレビやカーテン、オーディオなども操作できるようになったのです 脳波でそ

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    maxa55 2016/10/01
  • バニラの花言葉 - 眠る前に読む小話

    明細胞肉腫という珍しい癌だった。28歳という若さで発症したためか、発覚した頃にはもう手遅れだった。 アヤは一言で言えばよく笑う子だった。僕のメールの文章が硬い、とケラケラと笑った。チャックが開いてるよ、と笑った。泣いている時もあったけれど、その10倍は笑っている子だった。僕は彼女の笑顔を見ているだけで、幸せになれたものだった。 病室で彼女は「バニラシェイク」をよく欲しがった。僕はマクドナルドのマックシェイクやロッテリアのバニラシェーキ、モスシェイクを日々届けた。 毎回、飲む度に「この匂いと濃厚の肌触り、最高だね」と大きな口を空けて笑いながら言うのだった。バニラを好み、ストロベリーやチョコは欲しなかった。 ハードロックカフェのミルクシェイクを無理やりお願いしてテイクアウトしてもっていった時はどのシェイクよりも喜んで飲んでくれた。 「パルプフィクションという映画があるの。その中で、『5ドルもす

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    maxa55 2016/09/29
  • 世界を救ったパン - 眠る前に読む小話

    ミチがカフェで友人を待っていると、隣の席の会話が耳に入ってきた。 - パンと他の料理の違いはわかるか? 白髪の恰幅の良い男性が、若い男に質問を投げかけている。パンと他の料理の違い?主じゃないということかな。 - なんでしょう。こねる必要があるということでしょうか。でもそれだったら、そばやピザもそうだし、、、 前の男が、頭をひねりながら喋る。 - 違う。パンはな、手でべるということだ。他に手でべるべ物はない。もちろんおにぎりも手でべるが、アルミやビニルなどで包んでいるだろう。そのまま手でべるべ物はパンしかないのだ なるほど、とミチが話を聞きながら納得する。同時に「ホントかな。もう少し他にも手でべるものはありそうだけど。おまんじゅうとか」と思う。 - だからな、パンは味だけ優れていても駄目なんだ。肌触りが重要なんだ。フォカッチャを触った時は暖かい方がいいだろう。フランスパンはざ

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    maxa55 2016/09/26