ブックマーク / topnotch.hatenablog.com (79)

  • 異国でみるべきはツイッター?インスタグラム? - 眠る前に読む小話

    遠い異国の首都からさらに飛行機を乗り継いでたどり着く街で宿をとる。 「とれるチケットならどこでもいい」と考えた旅行だったけれど、思ったよりもワイルドな街に降り立つことになった。英語もうまく通じないし、そもそも空気だって日と違う。水が国によって異なるように空気だって国によって異なるものとなる。アジアの島国に降り立つ時に南国の匂いが鼻孔を驚かせるように、異国の空気は肺を驚かせる。「なんかきたよ」と肺があわてて声をあげる。深呼吸して、落ち着かせる。「大丈夫、この空気は吸っていいんだよ」。何度か深呼吸すると肺にその空気が馴染み、身体が少し落ち着いてくる。それでも、脳はなかなか現地の国になじまない。 一人が好きだ、という人でも異国の地に一人でいると、その寂しさには耐えられないことが多い。これは病気にも近い。風邪をひくと思考回路が落ちるように、孤独は人を不安定にさせる。部屋のどこかでなくした指輪を探

    異国でみるべきはツイッター?インスタグラム? - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/05/06
  • テクノロジーで花見はどう楽になった? - 眠る前に読む小話

    テクノロジーによって我々の生活はとても便利になったと言われるけれど、実際、便利になったものは少なかったりする。花見なんて、なにも便利にならばい。 たとえば、週末に花見を予定したとして、「週末の天気は?」と簡単にインターネットで調べられるようになったかもしれない。ただ、昔から、177に電話をすれば、天気を知ることはできた。 花見の撮影がスマホでできるようになったからって、撮影は昔からできた。インターネットができたからといって数千年前から桜の美しさは変わっていない。 結局のところ、テクノロジーが進化しても花見の場所取りは変わらずしなくてはいけない。pepperが代わりにやってくれるわけではない。 花見のビールも携帯から出せるわけではない。結局、買いに行かないといけない。 それでも、少なくとも1つは便利になったことがある。花見に体調不良で参加できない友人の家に、見舞いとしてべ物を届けることだ。

    テクノロジーで花見はどう楽になった? - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/04/01
  • デジタルに保存された思い出 - 眠る前に読む小話

    男は、何度も何度も同じ映像を見ていた。 それは、ディズニーシーの映像だった。動画には女が映っていた。 インディ・ジョーンズ・アドベンチャーというアトラクションの行列に並んでいる2人。ポッキーをべながら、カメラの方に話しかけている。男の声だけが聞こえる。男がその動画を撮影し、女が撮影をされている。 全体は10分もないほどだが、男は何百回とそのシーンを見ただろう。寝る前には見るのが日課だし、週末は酒を飲みながらそのシーンを見る。 男は思う。なぜもっと動画をとっておかなかったんだろうと。あれだけ一緒にいて、残っている動画がこれだけだなんて。 でも、その頃はこの恋愛に終わりが来るなんて思っていなかった。そして、ナオの動画がこんなに愛おしいものになるなんて想像もしなかったのだ。なぜなら、当時は生身のナオがそこにいたのだから。 見返すのはきまって動画だった。LINEでやりとりしていたテキストよりもそ

    デジタルに保存された思い出 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/03/18
  • ナッツアレルギー - 眠る前に読む小話

    飛行機に乗っていると離陸前にこのようなアナウンスがあった。 「この機内には、ナッツ類に強いアレルギーをお持ちのお客様がいます。機内ではナッツ類を召し上がらないようにお願いします」と。 飛行機は少なからず乗っているけれど、このようなアナウンスは初めてだったので「へー」と思った。いつも離陸前に寝ているから聞いていないだけかもしれないけれど。 それは、2つの思いがそこにはあった。 どれくらい強いアレルギーなんだろう。どれだけ大変なんだろうというその人への想像 みなで力をあわせてナッツを避けるという行為について その人は人生でナッツは避けていきているだろうけれど、とはいえ、いたるところにナッツはある。バーのおつまみ、機内でのスナック、そして、レストランでのアパタイザー。 どれくらい彼、ないし、彼女がナッツを苦手なのかわからないが機内でのナッツを惨殺するほどだから、かなり敏感なのだろう。おそらく同じ

    ナッツアレルギー - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/03/11
  • 部屋にいる時にSiriが勝手に喋りだした理由 - 眠る前に読む小話

    ミチコは思った。彼が出ていった部屋は思ったより寂しい。なくなったのは彼の荷物だけでなく、彼の存在だった。 彼は、テレビを見てはニュースに怒っていたし、YouTubeで面白い動画を見つけては笑っていた。当時は、うるさいと思ったこともあったけれど、その存在の大切さは、いなくなって初めてわかるものだ。 そんなことを考えながらミチコは部屋のベッドで横になってを読んでいた。すると、携帯のSiriが起動する音が聞こえた。ティリン すみません。よく聞こえません 「えっ!」と思わず、携帯から身を遠ざける。どうしたの、急に。周りを見渡すが、当然ながら、誰もいない。ここは彼がでていった寂しい部屋だ。誰もいない。 恐る恐る携帯を触ると、そこには、Siriが「すみません。よく聞こえません」という文字が表示されてあった。 「エラーかな」とミチコは考え、その画面を消す。に戻る。 すると、5分後に、また同じことが起

    部屋にいる時にSiriが勝手に喋りだした理由 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/02/24
  • WikipediaとSiriの限界 - 眠る前に読む小話

    「ね。セレンディピティって何」と、女が尋ねる。 ベッドの上で携帯を見ながら気だるそうに男が答える。 「偶然の出会いってやつだよ」 「人との出会い?」 「人にも限らないんじゃないかな。仕事とか、探してるものとか」 「いじめられている亀を探してたら、亀と出会う。これもセレンディピティ?」 「竜宮城に行きたいの?それとも何かの比喩?」 「セレンディピティのことが知りたいのー!」 「その単語、どこで聞いたの?」 「友達が飲み会の席でいってたー」 女は、Siriに話しかける。 「ねえ。Siri、セレンディピティって何?」 スマートホンは答える。 「セレンディピティとは『幸運の発見』です」 「よくわからないよー、Siri。もっとわかりやすくいって」 「困った時はWikipedia」と、女は検索をする。 セレンディピティとは素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること 「そんなの言ってもさ。ラッキ

    WikipediaとSiriの限界 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/02/16
  • ツイッターで事故死を演出する男 - 眠る前に読む小話

    ツイッターで死を演出するということを楽しんでいた。 たとえば、「このアニメが好き」という設定の人物を作る。そして、その設定に合わせたプロフィールを作り、ツイートを始める。そのアニメのことをつぶやき、そのアニメが好きそうな人をツイートする。事や週末の遊び方も練り上げて投稿する。 そして、同じようにそのアニメが好きそうな人をフォローする。コメントする。リツイートする。趣味がある者同士はつながる傾向にあるから、フォロワーはどんどん増えていく。まるで、俺の偽物のアカウントが物に存在しているように見えだす。 受けが良いのはやはり若い女性だった。顔の一部を見せただけの写真をアカウントに使う。元画像はインターネット上から拾ってくる。そのまま拾った写真をプロフィールに使うと画像検索でバレルことがある。だから、トリミングをして、一部だけを見せる。 重要なのは、自分の住んでいる地域を定期的に投稿しておくこ

    ツイッターで事故死を演出する男 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/02/12
  • 2人きりの部屋 - 眠る前に読む小話

    男がドアを開けて中に入る。続いて女が「失礼します」といいながら部屋に入る。酔っているからか、足元がおぼつかない。 女はブーツを脱ぐのがめんどくさそうに、足のかかとでブーツをける。 男が先に部屋に入る。「コートかして」と男が女からコートを受け取る。ハンガーにかける。 部屋に入ると女が言う。「わぁ、キレイにしてるのね」 「Alexa、ジャズをつけて」と男が言うと、「はい、わかりました」という声に数秒遅れて、部屋にジャズが流れる。 「座って。ソファーなくてごめん。ベッドの上にでも」と男がいいながら、冷蔵庫からワインを持ってくる。女は、ベッドに座りながら部屋を見渡す。モノが少ない部屋。白と黒でまとめられたキレイな部屋。 「ここにはどれくらい住んでいるの」 「まだ1年くらいかな」 男女はグラスを重ね合わせ、唇を重ね合わせる。 グラスのワインが半分も減っていないうちに、男は女のニットを脱がせようとする

    2人きりの部屋 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/02/10
  • 14106と言って - 眠る前に読む小話

    「14106」という言葉が世の中を騒がせるころ、僕は高校生だった。そして初めてのデートを経験することになった。 当時は、ポケットベルという数字を送り合う端末が登場し、学生たちはこぞって持ち始めた頃だ。それまでは、デートの誘いは、相手の実家に電話をしなければいけなかった。誰しも「親に電話を切られる」という洗礼を受けていたものだ。 愛しているという意味を込めた「14106(この数字の読み方を語呂合わせでアイ(1)シ(4)テ(10)ル(6)と読んだ)」という数字を送り合って。愛どころか、恋さえもわからないくせに。 その時の男子高校生のほとんどがそうだったと思うが、僕が当時、恋をしていたのはクラスメートで。それもかわいいからとかではなくて、自分と席が近かったとか、そんな環境要因で。 彼女は勉強もできた。焼きそばパンもべた。僕は、お昼に学校の近くのパン屋さんに昼を買いに行った。その時に彼女に「何

    14106と言って - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/30
  • ポケベルが残してくれたもの - 眠る前に読む小話

    2018年12月に、ポケベルが終了した。1990年代の後半に流行ったサービスで、お互い数字を送り合うことができるものだった。とはいえ、ポケベルは数字を受け取るだけの機能で送ることはできない。だから、僕たちは公衆電話からその番号を送りあった。 ポケベルはたくさんの思い出を僕たちにくれた。それまで、家には家庭の電話しかなかった。友人とコミュニケーションをする時は、そこに電話をするしかなかったのだ。家族がでることもあったし、それにそもそも家にいないとつながらないこともあった。 ポケベルはそんな問題を全部解決してくれた。外にいても受信できるし、「tel」と送れば、「今から電話するので電話でてね」という意味だった。僕たちがお互いに繋がり会えるようになった初めてのサービスだった。 1文字分を送り損なって暗号のようになった文字の羅列、笑顔マークを送れるようになった喜び、タイピング速度に負けない携帯の番号

    ポケベルが残してくれたもの - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/27
  • 2050年、ついに他人の脳を体験できるように - 眠る前に読む小話

    2018年、Oculus Goが販売された。従来より廉価でVRを体験できるその端末によって、多くの人がVRを体験できるようになった。それによって、家にいながら、旅行を体験できるようになった。ジェットコースターも体験できるようになったし、ゾンビ退治など、現実の世界で体験できないことも、実体験のように感じることができた。身体が不自由な人でも、飛行機がのれない人でも、そんなことを気にせず世界中を飛び回れる。夢のツールだ。こんな事例もある。娘の結婚式がハワイで行われることになったが、寝たきりのためハワイに訪れられないお父さんが、VRを使って、ハワイの娘の結婚式をバーチャル体験することもあった。 しかし、それはまだ視覚と聴覚に臨場体験に限られていた。そして、2019年になり、2020年になると、グローブを装着することで触感もバーチャル体験できるようになった、。VRを通じて、渋谷の109にいるかのよう

    2050年、ついに他人の脳を体験できるように - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/11
  • 割り切れない2人 - paymo - 眠る前に読む小話

    Paymoがサービスを終了する。「2人の思い出も終了するのか」と思った。 参考URL AnyPayのわりかんアプリ「paymo」がサービス終了、わりかん代金の請求は12月13日まで 彼女とは友達の紹介で出会った。5歳年上で、金融の仕事をする彼女。美味しいお店をたくさん知っていた。赤坂の中華、西麻布の寿司、四谷のフレンチ。 高いお店は、彼女がご馳走してくれた。「いつか俺が有名になったらごちそうするからね」といいながら、俺はその分、演劇の練習とアルバイトに励んだ。 安いお店は僕が出した。他にかかった費用はpaymoで割り勘をした。家で作るオムライスの卵代、2回もみたアカデミー賞受賞作の映画、朝用のクロワッサン。 Paymoではそんな2人の割り勘ツールだった。たくさんの思い出が詰まっている。 別れは突然だった。「ごめん、好きな人ができたの」、そういって彼女は出ていった。「嫌だ」といったけれど、

    割り切れない2人 - paymo - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/10
  • 2019年の抱負は「インターネットを使わない」 - 眠る前に読む小話

    さて、信念だし、抱負でも考えるかな。 大げさなのは嫌よね。やっぱり気軽なやつを。絶対するようなことにする?じゃあ「息をちゃんとする」「ご飯べる」とか?バカいってんじゃないわよ。 「しっかりとご飯べる」だったらどう?小学校の書き初めじゃないんだから、副詞とか入れてもだめよね。もう少しちゃんとしたことを決めないと。 ツイッターをちゃんとするとか?いやいや、10年遅れてるわね。からの。からの逆にツイッターをしないとか。とかとか。 いやいやいや。私の生きがいのツイッターできないと死ぬかも。ご飯べるか、ツイッターするかのどっちかにする?アホか。でも面白いかも。 あ、いいこと思いついちゃった。思い切って「インターネット使わない」とか。これなうくない?いけてる。超いけてる。世界見渡してもインターネット使わない人なんて2ミクロンくらいじゃない。アンドロメダ的確率よ。もうこれ決まり。インターネット使わ

    2019年の抱負は「インターネットを使わない」 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/06
  • 下書きに残ったメール - 眠る前に読む小話

    下書きに残ったメールを眺める。週に何度かは見返して文章を修正するけれど、まだ「送信」ボタンが押されていないメール。切手をはられてまだ封をされていない手紙のよう。 毎回、見返すたびに「こういう表現がいいな」と書き直す。文章って当に難しいな、と思う。夜みる文章と朝みる文章は違う。タイピングをしてかじかんだ手を「はー」っと息で温めながら、そんなことを考える。 彼女と会ってから2年以上もたつ。最初は、飲み会の席だった。いわゆる合コン。最初の印象は「キレイな人だな」という印象だった。その場でいろいろな質問をしてその場を盛り上げてくれたのを思い出す。夏のような女性だ、という印象だった。 僕はどちらかといえば冬な人だったから、「合わないかも」と思い、そのまま時が流れた。連絡先も交換しなかった。 再会したのは半年前だ。交流会で、たまたま見かけた。「どこかであったことがあるな」と思って、記憶をたどると「夏

    下書きに残ったメール - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/06
  • 今年の抱負の宛先 - 眠る前に読む小話

    年始から、「今年の抱負」をFacebookなんかにアップして。誰も人の抱負なんて興味ないっつーの。抱負を書くくらいなら、自分の手帳にかいておけよ。 コメント欄には、「がんばってください」「いい抱負ですね」とコメントが並ぶ。 そこに取引先の相手の抱負もあがる。少し考えて「接待いいねでもするか」とLikeをおす。 そんなにみんな抱負があるものかね。「今思いついたそれっぽいことを書いてます」大会なんじゃないの。もはや大喜利かもよ マラソン走るのなんてかってに走ればいいのに。「仕事で新しいことをしたい」って、そんなの会社の目標数字にかいておくことだろ。ソーシャルにかくことかよ。 小学校のころの書き初めを思い出す。それをみた時も同じ感想を抱いたな。「健康第一」「夢と行動」「破顔一笑」なんて、書き初めをみながら「しらないし」と思ったものだ。 あっ。ミチコちゃんも抱負をあげてるじゃない。それはみないと。

    今年の抱負の宛先 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/05
  • lineおみくじ - 眠る前に読む小話

    もう幼い頃からの習慣で1月2日は家族で初詣にいく。車で30分ほどいった山の麓にある寺だ。かれこれ10年以上訪れているけど、そういえばなんのご利益がある神社かもしらないな。Wikipediaで調べればわかるのだろうけど、それで「増毛」とかの神社だったら嫌だもんな。知らぬが仏。寺だけに。 甥っ子たちはおみくじを買う。大吉だの中吉だのを喜ぶ。母親に「これどういう意味」と聞き、母親が「いいことあるってことだよ」と答える。かわいいものだな。「お兄ちゃんもおみくじする?」と聞かれ、「いらない」と答える。あんな原価10円くらいの紙切れに運命を左右されてたまるか。 そんなことを考えながら歩いているとLINEが届く。 大学時代の友人から届いたライン。中身は「LINEおみくじ」。ああ、2019年からLINEが始めたキャンペーンか。特定のスタンプを買うと、ともだちにおみくじを送れるというやつだ。 おみくじになん

    lineおみくじ - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/03
  • LINEでの挨拶と年賀状の挨拶の違い - 眠る前に読む小話

    新年をすぎると「あけましておめでとうございます」とLINEが飛び交う。 なぜ、この人は私のLINEのアドレスを知っているのに、Facebookメッセンジャーで送ってくるんだろう。あ、Facebookの方がパソコンから送りやすいからか。たくさんの挨拶を送るには、携帯から送るよりもPCから送る方が送りやすい。なんだ。 年賀状を手書きで書いていたころを思い出す。当時は、1枚1枚絵を描くという苦行のようなことをしていた。いつか、プリントゴッコという年賀状の絵柄を複写する機械が生まれ、年賀状の生産性は劇的に改善された。とはいえ、それでも住所を手書きする手間だけでも億劫だった。 それから、パソコンができた。住所でさえもパソコンとプリンターが印刷してくれるようになった。こちらが行うことといえば、一言メッセージだけだ。この時に、もはや年賀状の苦しさは過去のものになったといってもいい。 さらに、それから10

    LINEでの挨拶と年賀状の挨拶の違い - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2019/01/01
  • 囚人が、刑務所の中で一番使いたいインターネットサービスは? - 寝る前に読む小話

    その独房に閉じ込められた囚人たちは時間が余っていた。なんせ労働以外、毎日は同じ日の繰り返しだ。新しい出来事も起こらない。同じ日が、同じ時間が過ぎていく。 ただ、変化もある。話がうまくなっていくのだ。 毎日、同じ話をするにつれ、話術が磨かれる。また、話題の着眼点が研ぎ澄まされる。 たとえば、こういう話だ。ある時は「おとぎ話の中で、一番犯罪をおかしたのは誰か」という自分を重ねた話題。あるいは、「死ぬ時にべたいものは」といった切実なものまで。 ある日、「もし、刑務所の中でインターネットを使えるとしたら何を使う」という話題がでた。 ある男は答える。「Facebookは嫌だな。連れが楽しく遊んでいるのを見ると気分がめいっちまうよ」 ある男は言う。「流行りのTik tokはいいかもしれない。この独房でも合わせて踊れるし」 ある男は言う。「TwitterでIDで呼ばれるのは、なんか囚人番号みたいで嫌だ

    囚人が、刑務所の中で一番使いたいインターネットサービスは? - 寝る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2018/11/08
  • 2025年、お礼を言わなくなった子供たち - 寝る前に読む小話

    2025年、新聞のある記事が世間を騒がせた。 「お礼を言わない子供たちが急激に増えている」という記事だった。「子供にお礼を言われたか」という定点観測の結果、ここ3年で50%もお礼を言われなくなったということがわかった。 新聞は、いろいろな仮説を検証していた。 - 少子高齢化で、「子供が宝」になっているから、偉そうになっているのだ。だからお礼を言わないのだ - ゆとり教育のせいだ - 親の世代がそもそもお礼を言ってないんじゃないか しかし、その後の研究で、どの仮説も違ったことがわかった。ある国立大学の教授の結果、「あるもの」が家にある子どもはお礼を言わなくなる傾向にあるとわかったのだ。 それは「Alexa」や「Google home」のようなホームスピーカーの有無だった。 ホームスピーカーのある家の親たちは、ホームスピーカーに「OK google, YouTubeをつけて」「アレクサ電気を消

    2025年、お礼を言わなくなった子供たち - 寝る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2018/11/05
  • 音声起動 - 寝る前に読む小話

    「米CIA長官、カショギ氏殺害の音声記録を確認=関係筋 | 」の記事を見て、ミキオは思った。 - ジャーナリストとして、これはヒントになるな。これは、カショギ氏は、AppleWatchか何かで音声を取っていたのだろうか。声を録音し、どこかに送っていたのだろうか - 確かに、ジャーナリストたるもの、いつ捕虜になるかわからない。そんな時に、いざという時に、声で電話をかける設定をしておくのは良いかもしれない そうして、ミキオは、音声だけでスマートフォンから、110番をかけれるように設定をした。とはいえ、「OK google 110番かけて」とでも言おうものなら、「何してるんだ」と、すぐ殺される。そのため、「OK google」や「Hey Siri」以外の音声で起動コマンドを設定した。iPhoneだと脱獄(Appleが許可していないアプリを利用できる状態にすること)をしなくてはいけなかったので、a

    音声起動 - 寝る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2018/11/04