渡部の仕掛けたGPSは、定期的に信号を発信し続けていた。 渡部は自分のPCで確認しながら、それが市街地から離れていくのを見ていた。 病院に運ぶと思っていたが、どうも違うらしい。 山間部に入っていく。 ちょっと予想外の展開になってきた。 GPSからの位置のデータ転送ができなくなれば見失う。 ふっと画面から点滅が消えた。 「これは・・・データが転送できなくなったか。それとも気づかれたか。」 独り言をつい言ってしまう。 気づかれたとなると、厄介だ。決して、良い方向にはいかない。 さて。どうごまかそうかな・・・ しかし、その日に何か接触が向こうからあったわけではなかった。 つまりは気づかれていない? まだチャンスはある? もう一日待ってみても何もアクションがないので、渡部は通信が途切れた山の方に行ってみることにした。 その日は帰ることにした。 あまりに驚くことがいっぺんに起きすぎて、整理がつかなく