ブックマーク / hakase-miyoshi-boku.hatenablog.jp (9)

  • 第8話:観察開始 - 博士と三好くん。そして僕。

    渡部の仕掛けたGPSは、定期的に信号を発信し続けていた。 渡部は自分のPCで確認しながら、それが市街地から離れていくのを見ていた。 病院に運ぶと思っていたが、どうも違うらしい。 山間部に入っていく。 ちょっと予想外の展開になってきた。 GPSからの位置のデータ転送ができなくなれば見失う。 ふっと画面から点滅が消えた。 「これは・・・データが転送できなくなったか。それとも気づかれたか。」 独り言をつい言ってしまう。 気づかれたとなると、厄介だ。決して、良い方向にはいかない。 さて。どうごまかそうかな・・・ しかし、その日に何か接触が向こうからあったわけではなかった。 つまりは気づかれていない? まだチャンスはある? もう一日待ってみても何もアクションがないので、渡部は通信が途切れた山の方に行ってみることにした。 その日は帰ることにした。 あまりに驚くことがいっぺんに起きすぎて、整理がつかなく

    第8話:観察開始 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/05/29
    やっと三好くんの日常が見れるよ(笑)
  • 第7話:不死身 - 博士と三好くん。そして僕。

    約束通りの15時30分きっかりに救急車は着いた。 電話番号も上に確認をとって、厚労省の特別のダイヤルだということは分かった。 ”MIYOSHI"が殺人以外で亡くなったということは確定なのだが、厚労省が出て来て、わざわざそれを引き取りたいと言い出した。 別に問題ないが、根回しが早すぎるし、情報がどうしてそこまで伝達されたのか謎だった。 上層部は、厚労省に以前から依頼されていたのではないか? 渡部はそう考えた。 これから先の部分は、自分の仕事とは関係ないことで、完全に個人の興味になってしまう。 ”MIYOSHI”はどこに連れて行かれて、厚労省は何をしようとしているのか・・・ 気になってしょうがなかった。 救急車から隊員と、関係者らしき人物たちが降りてきた。 違法性が高いと分かりながらも、そっと救急車に近づき、マグネット型のGPS装置を車体の裏に隠して貼り付けた。 しゃがんでしまえば、意外と死角

    第7話:不死身 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/05/18
    今週分の更新です!(*´ω`*)
  • 第6話:人間社会 - 博士と三好くん。そして僕。

    「警部。急いできて下さい。」 「電話? いつも俺を呼ぶ時は急いでじゃないか。」 「そ・・・それが、普通じゃないんですよ。」 「なにが?」 「厚労省からの電話です。」 「は?」 「厚労省です!」 「なんで俺に直接。」 「分かりませんよ。警部の名前を直接氏名して来たんですから。」 「仕方ない・・・はい。渡部ですが?」 「今、手元に遺体があるだろう?」 「は?」 「だから、今、手元に無傷な遺体があるだろう?って聞いてるんだ!」 「人には名乗らせといてなんなんだ!厚労省だかなんだかしらんが、そんなに失礼なやつばっかりなのか?」 「今はそんな時間も惜しいんだ。俺は厚労省の清田だ。直ぐにその遺体を指定の研究チームに回してくれ。」 「何を言ってるのかさっぱり分からんぞ。清田さん。」 「いいから。俺も分からないんだよ。上のお偉いさんから、君の名前を指名して電話をかけて、遺体を確保しろと言われたんだよ。」

    第6話:人間社会 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/05/12
    更新しましたです。ふぃー。
  • 第5話:友人 - 博士と三好くん。そして僕。

    「身元が分からない。”MIYOSHI”だけとはね・・・」 「所持品もなし。行方不明者リストにも載ってない。」 「これはお手上げだ。ご遺体を返してあげたくても、どこにも連絡がつかないよ。」 「殺人の可能性は?」 「どこにも傷やあざがないんだよ。肺に水は入っているが、溺れた時に気管に入ってしまったものらしい。」 「死亡推定時刻は?」 「今から2〜3日前。もっと細かいのは解剖のやつらに聞いてくれ。」 「潮の流れからして、どこから流れ着いたとかは推測出来ないものかね?」 「それももうしました。それに、恐らくは入水したであろうと思われる場所で聞き込みもしましたよ。でも、誰もこの人物を見てない。」 「スーツで水泳ね。この時期はお勧めじゃないな。仕事が嫌になったのかね?」 「私に聞かれても・・・そんなの分かるわけないでしょ。生きてれば何かあるかもしれないのに。」 「生きてるうちに彼に言ってやればよかった

    第5話:友人 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/05/08
    久しぶりの更新です!!
  • 第4話:死体 - 博士と三好くん。そして僕。

    その男は、海に打ち上げられていた。 誰も名前は知らない。 それは真冬で、仮に濡れていなくても浜辺で一晩過ごせば凍え死ぬ。 早朝に小型犬とウォーキングをしていた初老の男性が、見つけたのである。 最初は、小型のイルカか何かかと思ったらしい。 その男性は、可哀想にと心に思いながら近づいた。 しかし、そこには人間が横たわっていたのである。 息をしている様子はない。初老の男性は慌てた。それ以上、自分で何かを確かめるのは怖くなったのだ。 急いで救急車を呼ぶ。 もう既に遅かった。やがて昼ごろには救急車はパトカーに替わっていた。 打ち上げられていた男に所持品は何もなし。しかし、彼はスーツ姿だった。 かろうじて分かったのは、スーツの上着に”MIYOSHI”と名前が縫い付けられていたことだけだった。 「おい・・・三好くん・・・?」 僕は、かすれた声で話しかけた。 「は・・・反対に見え・・・」 三好くんは、ぐに

    第4話:死体 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/04/18
    小説書きましたー!
  • 第3話:亜人 - 博士と三好くん。そして僕。

    群れという習性を持つのは、知能に比例するだろうか。 単純な群れを形成することは、小魚にもできる。 そう考えると、単純に知能が高い低いによって、群れが形成されるとは考えにくいだろう。 しかし、コミュニティーとして、つまり意思疎通を行う思考が絡んでくると、それは異なってくる。 同じ知能を持った者同士として、コミュニティーを形成することになる。 先ずは同じ種類の動物としてつながりを持つ。 他の種類の動物は敵とみなすか、または自分の獲物と考えるだろう。 次に、その中に、些細な違いを見つけ出しコミュニティーは細分化を始める。また、何故か優劣を比べ始める。 しかし、同等の知能を持っていながら、どの細分化したコミュニティーにも属せない者はどうなるのか? 味方? 敵? 獲物? 神話の中では、中間に属する者達は多くいた。しかし、彼らは容姿が異なり、同じコミュニティーを形成できなかった。 現実問題それが発生し

    第3話:亜人 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/04/10
    書きました!!遂に三好くんが?!
  • 第2話:博士との出会い - 博士と三好くん。そして僕。

    ある日、起きた時。 今までの記憶が全てなくなったら、人はどのような行動をとるだろうか。 当に脳の中の全てのデータが消失したら、人は何を始めようとするのだろう。 過去を思い出そうと努力する? 自分が何者なのか思い出そうとする? それとも、今自分はどこにいるのかを確認するだろうか? 僕が思うに、きっと「過去を思い出す」という作業はしないと思う。 そういった疑問さえ発生しない。 生まれたての赤ちゃんに戻るだけだ。 では、その人が生きようと思うのは何のためか。 その原動力はなんだろうか? きっと、好奇心が彼を生かせる力となるだろう。 その「人」は未来だけを見続ける。 僕は、三好くんの案内で、彼が「ラボ」と呼んでいる場所にたどり着いた。 橋からは、歩いて10分ほど。 ネット上の地図で確認したら、確かに名刺に書いてある大学のキャンパスが描かれていた。 自分は地方の大学を卒業し、その後上京した。 だか

    第2話:博士との出会い - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/04/03
    小説書いた! 博士がやっと出てくる!!
  • 第1話:歯車を壊した日 - 博士と三好くん。そして僕。

    人形が仮に人の言葉を覚えて、自分と会話が成立した場合。 その人形は、「物」なのか、それとも「人」なのか。 感情とは、その人の脳で生成されるとは言うけれど、生成されても黙って立っていたら、それは感情をもった「人」なんだろうか。 何かを表現し、相手の心を揺さぶる「物」の方が、よっぽど「人」に近いと思うのは僕だけだろうか。 そう思うと、自分は果たして、「物」なのか「人」なのか。 「人」は何をもって、「人」たらしめるのだろうか。 約束の日曜日。僕は焦っていた。 仕事の予定に遅れたことはない。 でも、プライベートになると、若干ルーズになるというか・・・気が緩んでしまうのだ。 15連勤をこなした自分は、終電でぼーっとしながら家路についた。 「何か明日。予定があったような気がする・・・」 そう感じながらも、欲より睡眠欲が勝利した自分の身体は、そのままベッドに雪崩れ込むようにして倒れた。 自分の寝言にび

    第1話:歯車を壊した日 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/04/02
    小説更新です!
  • 【プロローグ】 - 博士と三好くん。そして僕。

    「今日も一つも良いことはなかった。多分、明日も変わらない。」 僕は、誰に話したわけでもなく、独り言のようにつぶやいた。 いつもは電車で帰るが、今は誰にも会いたくない気分だった。 会社から歩いて帰っていた。 なぜか涙が止まらない・・・ 「いつになったら仕事が終わるんだ! また工程遅延を起こしてるじゃないか。 どうするつもりなんだ? 早く言えよ!」 上司の怒鳴り声は、僕の頭の中でぐるぐるとこだました。 僕は一生懸命にやってきたけど、”一生懸命”ってのは何も評価されないらしい。 自分も知らない間に、プロジェクトのリーダーに担がれて、数人のメンバーを抱えることになった。 でも、僕には役職がない。 なのに、リーダーなんだ。 毎日、仕事が遅いとか、メンバーの責任はお前の責任なんだとか・・・上司の説教から一日は始まる。 その上、残業はするなって。払う余裕なんてないからだそうだ。 今日も僕は隠れるようにし

    【プロローグ】 - 博士と三好くん。そして僕。
    maxminkun
    maxminkun 2017/03/31
    野球さんとの合作なのん!そして、処女作♥
  • 1