S「というわけで、前回のグーグル礼賛に反論というかツッコミを入れてみたいと思います: 07のA:ぐぐる君*1とコモンちゃんの夏休み大冒険 えーまずは簡単な前フリとして、Googleという巨大システムの根幹に横たわる構成原理と米国法体系との関係から……」 M「どこが簡単ですか! むちゃくちゃ大きいですよ!」 S「だって調べてったら、そうなっちゃったんだもーん。ともかくですな、今回のGoogle×著作権事件のいちばん根っこにあるのは、 高度に発達したGoogleは二次創作と区別がつかない というおそるべき真実なのですよ、みなさん(と居間に集められた事件の関係者一同を見渡す)」 M「はい?????」 S「でも、その結論へとびつく前にいろいろ説明させてください。まずは、近代西洋の法律体系というものには大きく分けて2つの系統がある、という第1の事実から。このへんに関してのまとまった説明は、日本語で書
X「というわけで*1Google×著作権問題について、俺が長期的視点から礼賛してみようと思う」 S「ホントにやるんですか?」 X「ホントにやるんだ。俺はおまえと違って、ずばりと核心に入るぞ。 すなわち、Googleが今回手に入れたのは、他ならぬググる権利……今後は複製・出版・頒布する権利に替わって検索閲覧する権利が著作者人格権の主要パートナーになりますんでよろしくねという米国司法制度からのお墨付……なのだ、というテーゼからだ。 そう、検索閲覧権だ。こいつが新たな〈人類の普遍的な権利〉の一部に加えられたんだ。なんだ、その顔は。いいか、人権てのは増えたり減ったりするもんなんだよ。プライバシーとか環境権とか見りゃわかるだろ。 そもそも著作権って代物は、なぜ保証されてきたんだ? 保証されたほうが良いんだ? 決まってる。創造的な表現を日々新たに生み出してもらうためだ。そのほうが社会が豊かになる(と誰
S「というわけで、Google×著作権問題のまとめをそろそろ書こうかと主んですが、その前にまずは前フリをば。 この話、いろんな人に話して毎回驚かれたんで、もしかしてまだあんまり多くの人が気づいてないのかなって思ったので、以下掲載することにしました……実はですね、新城はGoogleのユーザじゃなくて労働者なんですよ」 X「あぁ!?」 S「つまりですね……しばらく前に『どうしてネットでは情報が(ほぼ)無料で手に入るんだろう? なぜGoogleは無料で検索させてくれるんだろう?』ということを考えてて……出た結論は、 Googleの検索は『無料』ではない たとえGoogleの貼り付けてくる広告をすべて無視したとしても、僕たちは何らかの『対価』をGoogleに支払っている 単に、その『対価』がこれまでの経験や常識では計測しにくいものである ということで」 M「じゃあ何なんですか、その『対価』って」
S「というわけで最近はすっかりTwitter&Google三昧の新城です。こういう状態をTweeglingと名付けたんだけど、どうだろう?」 M「その英単語、別の意味があるんじゃなかったでしたっけ」 S「えーとどうだろう。後でググってみるわ」 M「どんだけグーグル頼りですか! それにアマゾンやウィキペディアは無視ですか。あれだけお世話になっといて」 S「いや、そこなんだよ。新城が利用してみたところ、AmazonやWikipediaは言語圏ごとに分かれててちょっとだけめんどくさいんだけど、YouTubeやTwitterやGoogleはシームレスにつながってるんだ。これ、些細なようで決定的な違いだと思うんだけどね。つい先ほども、日本語圏のtweetをふらふら追いかけてたら、いつのまにか2時間前のカナダ某地方の交通事故にまきこまれて今まさに愛馬が二頭大変な目に遭ってます、という女性とその友達(こ
S「というわけで読んでみましたよ、ダーントン先生のエッセイ」 Q「さっさと和訳なさいよ」 S「いやー全部訳するのは、さすがにめんどくさいんで。とりあえず要約だけ……語り口は新城の想像の中のダーントン翁風ということで: Google和解が成立したが、今後の予測は難しい。というわけで、私の専門である啓蒙主義時代The Age of Enlightmentとの対比で考えてみたい。(冒頭) 啓蒙主義の理想とは一言でいえば〈学識の共和国Republic of the Letters〉である。誰もが知識に触れることができ、自由に発言でき、議論の末に真実へと近づく。『唯才』の世界だ。印刷物(そして手書きの書簡)が自由であるべき理由はそこにこそある。もっとも実態は、なんだかんだいって特権と検閲と私怨が横行しておったのだが。(第1節) ひるがえって現代(特に私の専門であるところの図書館業界)を見るに、これは
S「というわけでグーグル×著作権(とBL記法で表現すると、状況が実に分かりやすくなるなあ……)に関する最新情報は、ブックマークのほうにまとめることにしました。この文章の横だか斜め下だかにある"GooglingTheGutenbergGalaxy"というタグをご覧ください」 X「ていうか、最初からそうしとけ。そのためにあるんだから、あの機能は」 S「あはは。まあ初心者ということで。それはともかくとして……今回の和解に関する英語圏の記事やらブログやらを検索してたんですが……」 X「ちょっと待った」 S「え?」 X「グーグルに関する訴訟とその和解についてのサイトを、グーグルを使って検索したのか?」 S「そうですよ」 X「で、上位に上がってきたほうから順に読んでったんだな?」 S「そうです」 X「その検索結果の順位が何らかの意図にしたがって捩じ曲げられたものではないという保証は?」 S「……………
S「……というわけで、もとはといえば、マクルーハンを読み進めつつ読書メモを兼ねて感想をいろいろアップしていこうかなと思っていたんですよ。このエントリは」 M「(ニヤニヤしながら)それがあっというまに、グーグル&著作権をめぐる最新動向の逐次メモになってしまった、と。人生なんてそんなもんですよ。たしか新城さんの敬愛するジョン・レノンもそんなようなことを」 S「そりゃまあ言ってるけどね」 X「ちなみにこのタイトル、元ネタはもしかしてダイソンのあれか」 宇宙をかき乱すべきか〈上〉 (ちくま学芸文庫) 作者: F.ダイソン,Freeman John Dyson,鎮目恭夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/01メディア: 文庫 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件) を見るS「ええ。さらに元をたどると、エリオットの詩の一節だそうです。Do I dare? Do I dare d
S「というわけで、このエントリをのんびり書こうかなと思っていたのですが……」 Q「何をのんびりしているのよ、こんなにホットな話題なのに! しかもこんなに重要な歴史的事件を! さっさと英語圏での最新の動きを検索して和訳なさい! 貴方にはそれをする義務があるのよ!(と命じて走り去る)」 S「……みたいなことを言われてしまったのでとりあえずは備忘録としてできるだけ書いてみます」 M「ってまたキャラが増えたんですか! 誰ですか今のQさんって」 S「まあ基本的には『新城の知り合い』の総和だと思っていただければ……」 X「高度に集約された新城の知り合いは、高飛車な御令嬢と区別がつかないってわけか」 S「あはは。まあそれはともかく。皆さんすでに御存じかもしれませんが、まずはこのへんから…… Googleブック検索和解のホームページ S「これ↑は日本語版のサイトですが。ただいま英語圏を検索中ですので、新た
日本書籍出版協会が2009年2月20日、Googleブック検索和解契約に関する会員出版社向けの説明文書を公開しています。内容は、和解合意の概要と、著者・出版者・権利者がこの和解に対しどのような選択肢を有しているかを説明するものとなっています。あわせて、国際出版連合(IPA)による和解合意に関する報告書の日本語訳も公開しています。 Google とアメリカ作家組合、アメリカ出版協会会員社との和解について – 2009.2.20 日本書籍出版協会 http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/google-wakai1.pdf IPA報告書 国際出版連合(IPA) GOOGLE/著作者団体/米国出版社協会その他 和解合意(2008年) http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/google-ipa.pdf なお、Google社は2009年
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く