●SNS時代になってなにが変わったかといえば訃報の伝達速度。瞬く間に広まる。20日、クラウディオ・アバド逝去。80歳。時代を代表する名指揮者だった。ご冥福をお祈りいたします。 ●特に記憶に残っているのは、ウィーン国立歌劇場と来日したときのベルク「ヴォツェック」。あんなに鋭くも美しいオーケストラのサウンドがNHKホールを満たしたことはない。あれはいつだっけと思ったら、KAJIMOTOの「マエストロ・クラウディオ・アバドの訃報に寄せて」に来日公演の記録が掲載されていた。1989年。この頃は毎年のように来日していたのか。バブル経済の最盛期。 ●アバドの熱心なファンだったとはいえないんだけど、好きな録音を思い浮かべてみるといくつも挙がる。ベルリン・フィルとのプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」とか、ウィーン・フィルとのブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」とか。心底スゴいと思ったのは、ロン