これまで数多くのうつ病の患者さんを診察して思うのは、「うつ病の患者さんの自己洞察力がものすごく低い」という共通点です。入院が必要なほど重症な患者さんが、「まだ大丈夫です。明日も仕事に行きます」と平気で言います。 自己洞察力が高い人であれば、「最近、仕事が忙しくて、調子が悪いなあ」と気づき、ストレスを軽症のうちにコントロールしようとするので、うつが重篤化する前に対処できます。 自己洞察力を高めるには、「アウトプット」が最も効果的です。「話す」「書く」「行動する」がアウトプットの方法ですが、とくに「書く」ことで自分自身の内面を客観的に観察できるようになるので、「書く」習慣を身に付けることをおすすめします。 自分のアイデアや考えをノートに書く、ひらめきや思いつきをメモに書く、今日のTO DO(やるべき事)を手帳に書く、1日の出来事を日記に書く、あるいは体重や今日の調子、朝起きがけの気分など、健康
また、「几帳面でまじめな人ほどうつになりやすい」という俗説がありますが、それはストレスをドーンと真正面から受け止めてしまうからです。そのことばかり考えて、不安になり、さらに落ち込んでしまうわけです。「まあ、いっか」「そんな日もあるさ」「さっさと忘れて、次行こう」みたいに軽く受け流す。物事を楽観的に捉える力は、レジリエンスの重要な要素の1つです。 レジリエンスを構成する要素には、「自己認識」(自分を正しく認識できる)、「自制心」、「精神的敏捷性」(客観性、大局観)、「楽観性」(ものごとを楽観的に捉えられる)、「自己効力感」(自分に自信を持てる)、「つながり」など、いくつもの特徴があります。 レジリエンスを高める方法 1日3分でできて、「自己認識」「精神的敏捷性」「楽観性」「自己効力感」など、レジリエンスのほとんどの要素を高めることができる方法があります。 それは、「3行ポジティブ日記」です。
残業が多く仕事内容もハードなブラック企業に勤めてしまった場合、数カ月でうつ病になる人がいますが、一方で同じ職場で似たような仕事をしながら3年働いても何ともない人もいます。うつ病になる人とならない人の違いは、どこにあるのでしょう? そもそも、うつ病はなぜ起きるのか。私のもとを訪れる相談者からも、「うつの原因はなんですか?」という質問が非常に多くきます。結論を先に言うと、「合わせ技一本」で起きます。 うつ病がたった1つの原因で起きることはあまり考えられません。つまり、ストレスや人間関係の問題、サポートの少なさ、睡眠不足、運動不足、休息不足、遺伝、性格や考え方などが、複雑に絡み合い、複数の問題が重なったときに、うつ病が起きるのです。 うつ病を遠ざける「レジリエンス」 では、どうすればうつ病を遠ざけられるのか? いきなり仕事や職場などの環境を変えるのは、現実的ではありません。現状をあまり変えずに、
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