神戸新聞に先日、1本の電話がかかった。「相談先を教えてほしい。将来が見えなくて…」。暗く沈んだ女性の声だった。コロナ禍で失職してから、半年以上仕事が見つからないという。感染が一段落したとはいえ、オミクロン株や第6波への懸念から社会には依然、余裕がない。働く女性の自殺が増えたという国の統計は、立場の弱い人々にしわ寄せが及んでいることの裏返しだ。「ふっと消えたくなることがある」。時折涙声になる女性の話に耳を傾けた。(末永陽子) 【電話番号一覧】悩み相談窓口 ■県内在住の41歳、給付金で生活つなぐ 女性は兵庫県内在住の41歳。20代の頃から非正規雇用として働いてきた。数々の職場を経験してきたが、常に当初の契約期間満了まで働けたといい、「リーマン・ショックの時も私自身は影響はなかった」と振り返る。 昨年7月。3~4年勤めていた会社から、契約の非更新を初めて告げられた。雑貨の企画製造を営む会社で、コ